被災地の復興には、地域の幹線道路や鉄道路線の復旧が急務ですが、同時に新幹線や東北自動車道路をはじめ内陸部と沿岸エリア(被災地)間の物流や人の高速移動を支える道路の整備が必須条件になります。
現在、東北横断自動車道や東北縦貫自動車道の整備が急ピッチで進められています。もちろん、高速道路の基準で建設されていますが、通行料金は無料です。部分開通ながら、この道路のおかげで、内陸部の北上駅から釜石まで短時間で行くことが可能になりつつあります。
一方で、限られたコストで急速に工事を進めるため、サービスエリアやトイレ、給油施設などの付帯施設はありません。ガソリンの残量は乗る前に確認する必要があります。また、インターチェンジとインターチェンジの間に位置するまちや施設は、通過交通が無くなってしまうため忘れ去られ、過疎に拍車をかける懸念を石田先生が指摘されました。
柳田国男の遠野物語によれば「遠野郷より海岸の田ノ浜、吉利吉里などへ越ゆるには、昔より笛吹峠という山路あり。山口村より六角牛の方へ入り路のりも近かりしかど、近年この峠を越ゆる者、山中にて必ず山男山女に出逢うより、誰もみな怖ろしがりて次第に往来も稀になりしかば、ついに別の路を境木峠という方に開き、和山を馬次場として今は此方ばかりを越ゆるようになれり。二里以上の迂路なり。」と記され、遠野から釜石や大槌へ出るには、苦労した様子がわかります。
東北横断自動車道や東北縦貫自動車道の整備の重要性に併せて、こうした昔からの往来の記憶も伝えられるようなまちづくりも大切であると感じました。
こうして、遠野から釜石へ入り、市街地へ向かう途中で昼食をとりました。地元の皆さんが ” コスモスコミュニティ ” と名付け、地域の産品を活かして料理を提供している ” 農家レストラン創作農家こすもす ” で、定食のランチを頂きました。食材のすべてが近隣の皆さんが育てたものとあって、素朴な味つけにも深みを感じました。
地域の情報交換の拠点にもなっているらしく、お店の前の広場には、様々な花が植えられていて、とくに菖蒲の花が満開でした。また、先の遠野の仮設住宅もそうでしたが、地元の材木をふんだんに使った子供向けの遊戯施設が何種類も作られていました。
[1]モビリティ研究会「被災地復興状況調査」
[2]遠野市「希望の郷『絆』」
[3]東北横断自動車道釜石秋田線(通称:釜石道)~地産地消の「こすもす」で昼食
[4]釜石市に入り復興住宅見学
[5]安渡第2仮設団地
[6]旧大槌町役場
[7]希望の灯り
[8]大槌町役場にてヒアリング
[9]大槌港
[10]大槌町復興まちづくり情報プラザ
[11]大槌小学校、中学校(仮設)
[12]釜石市の中心市街地を視察、情報交換
[1]仮設住宅が抱える移動面での課題
[2]オンデマンドバス体験
[3]釜石市平田地区仮設住宅見学
[4]大船渡市でBRTに乗車
[5]名物「さんまらーめん」で昼食
[6]陸前高田市にて奇跡の一本松に再会
[7]気仙沼の復興状況
[8]トヨタ自動車東日本株式会社にて