まずは宇奈月温泉に二泊の旅です。
翌日の5月22日は、朝の一番風呂を頂き、朝食を済ませてから、娘が予約してくれた、9時00分発の黒部峡谷トロッコ列車に乗車すべく、黒部峡谷鉄道宇奈月駅へ向かいました。同じ宿に二泊する旅の良さは、荷物が部屋に置いていけますので、軽装で出かけられることです。
改札には、大型観光バスから続々と海外からの団体の組が降りてきました。
団体は3組あり、団体客の列は長蛇です。
われわれは個人乗車の列に並びました。
屋根付きのリラックス車両が予約されていましたので、余裕を持っての乗車となりました。
定刻の発車、トロッコ電車の車内では、富山県出身の室井滋さんによる、沿線のみどころや鉄道の歴史などが、車内放送としてタイムリーに流れます。
さて、同社のホームページを抜粋させて頂きますと「黒部峡谷は、北アルプスのほぼ中央の鷲羽岳に源を発し、長さ86km、標高差3000mを流れ下る黒部川の上・中流域に、切り立った深いV字峡を形成する大峡谷です。昭和9年(1934年)12月、中部山岳国立公園に指定されました。峡谷は、立山・剱岳・薬師岳などの立山連峰と、白馬岳・五竜岳・鹿島槍ヶ岳などの後立山連峰の間に、黒部川の浸食によって深く刻み込まれ、八千八谷といわれる多くの渓流を合わせながら、黒部川扇状地を経て日本海に注ぎます。(中略)日本電力株式会社が、(中略)大正12年に、黒部川水系の発電所建設のための資材運搬用鉄道として、宇奈月~猫又間(11.8km)の軌道敷設工事に着手しました。」と記されています。
現在は、先般の能登半島地震により、猫又駅と欅平間は不通となっていますが、一方で、欅平と黒部ダムを繋ぐ路線の新設も工事が進んでおり、上流の黒部ダムまでの約18kmにわたる新ルートは「黒部宇奈月キャニオンルート」と呼ばれ、これは黒部川第四発電所の建設などに伴い、日本電力(株)や関西電力(株)が工事用ルートとして整備したルートで、2018年に関西電力(株)と富山県が 締結した協定により、一般開放・旅行商品化が予定されており、新たな観光ルートとして期待されています。
さて、われわれは、眼下に黒部川を眺めながらいくつものトンネルを抜けて、猫又駅を目指しました。ナローゲージと呼ばれる、狭い線路のため車内も幅がコンパクトです。噂通りの峡谷であり、息をのむポイントやダム施設が車窓からいくつも見学出来ました。
5月の新緑は目に鮮やかで、また、あちらこちらから雪解けの水が滝のように黒部川にそそいでいます。何か所か、川面に隣接するように堆積した雪が硬く固まって大きな塊を形成しています。また、電力施設や工事用の橋など、普段はお目にかかれないポイントでは、乗客から思わず歓声があがります。
猫又駅で、20分間のトイレ休憩をとり、いま来た列車で折り返します。
帰りは、途中の黒薙駅で下車、険しい山伝いに、宇奈月温泉に源泉を供給している、秘湯「黒薙温泉」まで参りました。クルマでは行けない山深い温泉に入湯したのは、初めての経験です。ご主人によれば、温度が高いため、季節によってお湯の温度を調整するのに苦労されているとのことですが、噂に違わず、源泉かけ流しの新鮮なお湯の湯質は、筆舌し難い肌に溶ける感覚であり、大満足でした。
高い山の上から何段にもなって降り落ちる滝の滝壺近く、白い湯煙がもうもうと立ち昇る川沿いの露天風呂には、外国人のカップルが入っていました(女性は水着着用)。入ろうかと迷いましたが、断念いたしました。
また、湯がこぼれて溜まりになっている場所には、珍しい蝶々が群れていました。
峡谷には野生のツツジや山野の花が咲き、新緑の山に映えていました。
帰りは、屋根の無いオープン型の普通車両に乗り、始発の宇奈月駅まで無事に帰りつきました。
そして宇奈月駅前にある、関西電力「黒部川電気記念館」を見学させて頂きました。ここでは水力発電の歴史や仕組み、そして「くろよん」建設工事のなかで、困難を極めた「大町トンネル」の工事現場を伝える数々の写真や資料、映像で、難工事の様子を知ることができました。失礼ながら、予想以上に創意工夫がされた館内でしたので、長く時間をかけて見学させて頂きました。入場は無料です。
お昼は、宇奈月の街をぶらぶらしながら、食事処「河鹿」にて、富山名物「氷見うどん」と「ほたるいか」で昼食といたしました。
早めに宿へ戻りまして、時間をかけて宿の温泉を堪能させて頂きました。
バイキング方式で頂く夕食は、富山の名物を中心に得意メニューが並びます。
二泊目の夕食は、初日に気に入った品と、初日に食さなかった違うメニューをチョイスしました。特に新鮮な甘海老は絶品で、何度も足を運び生で頂きました。
富山の地酒とハイボールで酔いが進みました。
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