ストラスブール訪問①ストラスブール大学にて

日本と8時間の時差があるフランスです。
現地時間の11月24日の夕方、ようやくストラスブールに到着しました。
円安の影響で、毎回、宿泊している駅前のホテルは、宿泊代が高くて利用できません。
少し離れたホテルにチェックイン、二泊しますが幸いに予想以上に快適で満足です。

日暮れのまちを少し散策、そして夕飯は市内のスーパーで、パンやサラダ、チキンやヨーグルトを買い出しして、部屋でくつろぎ、長い移動時間でしたので、早めに就寝いたしました。

11月25日、雨、外気5度です。昨晩の夕食の残りで朝食を済ませて、トラムを利用してストラスブール大学へ参りました。キャンパスは晩秋の装いです。
ストラスブールは、アルザス地域圏の州都で、欧州評議会や欧州人権裁判所、またEU欧州議会の本会議場を擁し、ベルギーのブリュッセルと共にEUの象徴的な都市の一つとなっています。
また、ストラスブール大学は、長い歴史を誇るフランスを代表する名門大学で、同学のホームページによれば、近年では、1971年には、ストラスブールI(ルイパスツール大学)が医学、化学分野、ストラスブールII(1998年マーク・ブロッホ大学)が人文科学分野、ストラスブールIII(1987年ロベールシューマン大学)は、法律、政治、社会、技術分野のコースを擁する3つの異なる大学でした。その3つの大学での並走状態が2009年まで続き、国際的な認知度とトレーニングと研究の学際性を優位に発揮するために、3つの大学が合併、現在のストラスブール大学となりました。創立以来18のノーベル賞を受賞、そのうち4つは現役の研究者が在籍する世界的な研究大学であり、まちとしても、今日では、パリに次ぐ最も国際的なフランスの大学都市であり、51,000人の学生がおり、そのうち20%が留学生です。
キャンパスには、自慢のトラムが走り、学生の動きを大切にした道路空間がつくられています。また、コミュニティサイクルの普及は定着しています。岡山でも、念願の岡山市路面電車の岡山駅乗り入れ工事開始発表が市長からありました。私の仏出張調査の目的のひとつは、コロナ禍で活動が中断していたEUの公共交通システムの最前線をフォローすることです。フランスの主要な都市では、コロナ禍の影響を受けながらも、軒並み人口が増えつつあり、環境に配慮しながら新しい公共交通の流れが動き始めています。若者が植える要因として、世界の若者たちがフランスの多くの大学に留学していることも見逃せないと考えています。

ストラスブール大学では、まず、新しく完成した、学生の休憩できる飲食コーナーに参りました。
自販機でコーヒーを買おうとしたのですが、クレジットカードがうまく機能せず、困っていましたら学生が片言の日本語でヘルプしてくれました。日本語を学んでいるということで、岩淵泰副センター長が、さっそく岡山大学と岡山の紹介をしたところ、日本への強い関心があることが分かり、ストラスブール大学と岡山大学のこれまでの結びつきについて説明、私はデネケン学長を岡山に招いて開催した国際学都シンポジウムの時の写真を見せて岡山大学をアピールしました。
名刺をお渡しして岡山大学での再会を祈念して記念写真を撮らせて頂きました。

午前中は、これまで10年間にわたり、欧州の学都としてベンチマークさせていただき交流を続けてきたストラスブール大学で、岩淵副センター長が、岡山の魅力を説きながら、市民参加によるまちづくりの課題と方向性をテーマとして、フランス語で熱血授業を実施しました。会場は、初めにわれわれがストラスブール大学を訪問した際の学長であったアラン・べレッツ前学長の記念ホールを利用させて頂きました。ストラスブール大学のお心遣いに深く感謝いたしました。約1時間の講話を受けてディスカッションに入りました。半数近くの学生から次々と質問が出されました。岩淵先生が丁寧に、そして真剣に対応しました。そして指導教官のコベル教授も議論に参加、コーディネートを担当くださいました。途中、学生から岡山のまちづくりについて質問がんされたなかで、岩淵先生から振って頂き、一部のコメントをさせて頂きました。
白熱した議論のやり取りが1時間続きました。仏語が不案内ですので、英語資料の文脈の範囲での対応しかできなかったことが誠に残念でした。通常は授業の終了時間になりますと、次の授業への移動もありますから、定刻に議論を終了しますが、10時開始の12時過ぎまで2時間の授業となりました。

岡山大学では、私が担当する授業の範囲では、授業はまじめに受けてくれますが、残念ながら、ここまでの学生の気迫ある質問を次々受けることは少ないと思います。流石にストラスブール大学は、仏大統領やノーベル賞学者を輩出してきた大学であると感じざるを得ませんでした。EU議会や国際人権裁判所がストラスブールに置かれる土地柄もダテでは無いと改めて感じました。現在、ストラスブール大学から3人の留学生を受け入れています。私の仕事は、今日の参加学生に岡山と岡山大学を売り込み、留学をお勧めすることです。指導教官の指導教官のDr.ミシェル・クベル先生も4月に岡山大学に来て、岩淵先生が担当して、しばらく学んで頂く予定です。先生と写真を撮って頂きました。