雪積もる人形峠にて岡大最後のご奉公


国立研究開発法人 ⽇本原⼦⼒研究開発機構(JAEA:Japan Atomic Energy Agency 以下、日本原研)は、原⼦⼒に関する総合的な研究開発機関であり、「カーボンニュートラルな社会」と「低資源‧⾼効率な社会」の実現を⽬指す活動はじめ、グローバルな視座から⼈類社会への貢献を目標にしています。その関係機関である、岡山県鏡野町にある人形峠環境技術センターでは、長きにわたり、核燃料サイクルにおける上流側と言われるウランの探鉱から、採鉱、製錬、転換、そしてウラン濃縮までの技術開発を実施してきました。そして、役割を果たし終えて、現在、同施設・設備の廃止措置に取り組んでいます。岡山大学は、日本原研との協定に基づき、様々な分野で共同研究をはじめ日本の未来を見つめる活動を続けています。
3月28日、岡山大学の担当者一行で、山々には雪が残る人形峠にある同環境技術センターを訪問、にあると日本原研による福島原発早期廃炉に向けた最新技術の研究や三朝温泉ラドン効果の検証など共同研究報告会が開催されました。岡山大学での最後の校務となりましたが、岡山大学側の代表として総括コメントを担当させて頂きました。

さて、研究会に先立ち、人形峠環境技術センターで進められる、ウランと環境研究プラットフォーム構想に基づき、我が国で初めてとなる大型核燃料施設の廃止措置の先駆者として、安全を最優先に研究開発を進めています。その施設見学をさせて頂きました。同センターによると「大型の核燃料施設である製錬転換施設では、平成24年度に転換工程の主要設備の解体・撤去をほぼ終了し、解体物はドラム缶等に収納して、建屋内に保管しています。平成26年度から、濃縮工学施設でUF6取扱設備の解体、令和3年度から、ウラン濃縮原型プラントで解体を開始しています。」とご紹介、ご説明を受けました。
こうして安全第一に閉鎖作業を続ける施設現場や、更に実際のウラン鉱脈坑道を視察、紫外線をあびてコバルト色に輝くウラン光を直接見学させて頂きました。
最後まで現地現物にて得がたい経験を積ませて頂きました。