ストラスブール訪問②大学施設にて

学生たちにお礼を申し述べて、この春に新しくオープンした図書館にご案内頂きました。さてさて、構造がとても図書館とは思えない、超モダンアートの中に書籍が並んでいると申し上げるのが正しいほど「白」を基調とした驚愕の建造物でした。さらに、奥の一室には、戦前のナチスによる占領下の歴史と大学の関係が記されたパネル展示コーナーが常設されていました。クベル先生もご尊父様が、ドイツ軍により捕虜化され、途中で南仏まで逃げ延びたという過去の歴史を語ってくださいました。生々しい歴史の証人としてのパネルに胸を打たれました。もちろんストラスブール大学の一番古い校舎には、建学の頃からの長きにわたる歴史を展示しているスポットがあります。今回は、更に戦時中の記録を克明に残すことを図書館建設のひとつの肝にされたことがうかがえました。

こうした日本の大学図書館とは趣の異なるフランスらしい斬新なデザインの建物で、戦時中のドイツによる占領下の歴史を後世に伝える数々の証人たちに出会えました。今ではフランスとドイツは信頼関係が築かれ強い絆で結ばれていますが、それはそれとして過去の過ちについては、事実関係を残して伝えるとの趣旨です。大いに学ばせて頂きました。

そしてランチを教員食堂で頂きました。アルザスワインは白が主流らしいのですが、赤もありましたので、軽めのピノノワールのワインも注文いただき、アルザス風の味わいあるスズキの黒キノコのソテー料理を堪能いたしました。フランスではキリスト教はカソリックが主流であり、週末の金曜日はお肉を食べずにお魚にする習慣があると教えて頂きました。とても楽しいお喋りの時間でした。

岩淵先生の通訳で公共交通の話題に触れていただきますと、クベル先生は、障がい者にとっての公共交通の利便性の調査を実施された経験があることをお教えいただきました。