こうしたなかで自治体の財政も税収不足が顕在化する中で、民間企業が持つノウハウや最新の技術、サービスを自治体に取り入れて、地域の課題解決や市民サービスの向上に役立てようとする動きがみられることとなり、岡山県はじめ自治体も、交通安全はじめ単発のイベントへの協力要請だけでなく、積極的にシーガルズとの包括連携協定を検討するステージになったと言えます。
現在、シーガルズが優先的に使用できるアリーナの建設検討が、ようやく具体化して動き始めています。この建設に際しても、シーガルズがどのようなスタイルで、この施設を運営することができるのか、岡山市の立場では、そこでのシーガルズの活動が地域課題の解決にいかに役立つことができるのか期待を寄せてくれています。つまり、この考え方や発想が、とりもなおさず包括連携協定であり、包括連携協定の手法は官民連携事業PPP(Public Private Partnership)のひとつなのです。
今回締結された井原市と岡山シーガルズとの包括連携協定では、①子どもたちの健全な心と身体の育成、②市民の健康増進、③人権尊重思想の普及と発展、④双方の魅力発信、⑤その他地域活性化やバレーボールの振興・発展、という五つを協定の目標・ゴールに掲げ、地域が抱えている課題に対して自治体と民間企業であるシーガルズが協力し、その課題の解決を目指す協定であると理解できます。
これを井原市側とシーガルズ側でポイントを整理すると、例えば下記となります。
- 複数分野にわたる事業の同時実施
- 企業との関係強化のためのアナウンス効果の獲得
- 新たな分野での連携や地域振興の実現
- 企業の保有する民間の情報・ノウハウ等の多様な政策目的への活用
- 岡山シーガルズのCSRやSDGs活動の活性化
- CSRやSDGs活動の充実による社会的課題に対する知識の向上やスポーツ人材育成
- クラブチームとしての地域密着による社会的評価の向上とバレーボールの認知度向上
- 新たな地域貢献分野の開発によるファンやスポンサー企業の獲得
- 自治体との連携に伴う実務面と財務面での支援による経営負荷の低減
朝一に河本監督と市長応接を訪ねて、大舌市長とこれまでのいきさつを振り返り、互いに締結式を契機に力を出し合える流れを創出しようと意気込みを語り合いました。締結式では、まず井原市の大舌市長より、井原市として初めてとなるプロスポーツチームとの協定について、元気な井原市を実現するための今回の協定への期待を述べられました。続けて河本代表取締役より「岡山シーガルズの強みは、入団してから成長した選手たちが日本代表となり、またリーグでは2度の準優勝を果たした経験に裏付けられた選手の人間的な意外性や強い結束力と地域との絆、そこから新たな力が生み出されます。若い選手たちが子どもたちと感性で感じ合うふれあいを通じて、スポーツだけでなく勉学にもつながる大切な力を与えていきたいです。」と今後の取組への意気込みを語りました。
こうして無事に協定を締結することが出来ました。