タイ国訪問その3 TOPIX

「バンコク日本博2023」は、9月1日から3日までで、約13万人の来場があったと主催者から報告がありました。わたくしは、岡山シーガルズ顧問の立場ながら自費での参加であり、開催二日目の9月2日の夜には帰国の途に着かねばならぬ強硬な弾丸スケジュールでした。
わたくしが担当させて頂いたミッションを少しだけ報告いたします。

1タイ国バレーボール協会との関係継続

岡山シーガルズと同国バレーボール協会との協定締結により、タイ国ナショナルチームの岡山への受入など、交流が本格化したところへ、新型コロナ災禍が発生して、具体的な交流が途絶えました。2023年度に入り、新型コロナへの諸規制が緩和されたことを受けて、懸案であった両国の女子バレーボールを軸とした子供バレーボール教室やトップレベルの高校生の交流など具体的な活動企画検討することで合意しました。
タイ国バレーボール協会シャンリットCEOから、「検討するには、今回もシーガルズの皆さんの滞在期間が短すぎます。改めて、本格的なアライアンス企画ミーティングができるよう、少し長い期間、滞在して頂きたいと希望します。日本人は忙しすぎですね(苦笑)」と示唆を頂きました。産業振興やインバウンド企画を踏まえて、予算面を含むオール岡山の体制がとれるか否か、参加希望企業や自治体にサウンド&企画提案の機会を設ける必要があると感じました。

2坂本産業様

坂本産業坂本修三社長様とは、シーガルズと協会の協定交渉の過程で、タイ米で一位を獲得した県の知事から、受賞米を贈呈いただいた経験をご紹介しながら、国内第3位の規模を誇る鶏卵業まで成長されると、商品の販売拠点の拡大やルートの確保もさることながら、養鶏の基礎となる餌(穀物)の安定的な確保が生命線となるのではないかと質問させて頂きました。タイは穀物の生産についての資源も期待できることから、こうしたコーディネートもタイ国協会はタイ全土の自治体や企業とのコネクションがあるため、なにかシーガルズでお手伝いができないか、提案させて頂きました(岡山大学農学部との連携可能性を含め)。

3帝人ナカシマメディカル様

帝人ナカシマメディカル小林貴史副社長様とは、同社の主力商品は人工関節であり、商品開発の段階で、日本人だけでなくタイ人の骨格や骨質に配慮した、アメリカ人向けの先行商品とは異なる開発に特徴を持たせているとの談を拝聴しました。シーガルズからは、人は誰しも、最期まで自分の意思で思い通りに動きたいと願っていることを、高齢者向けにシーガルズが実施するカモメ流ストレッチ道場やパラリンピックへの連携活動を通して知っています。
例えば、人工関節と自動車や車イスは、自由に移動する権利を保障する器具と言う点では同じであると考えます。また、人が元気に自由に過ごせるパワーをシーガルズは様々な活動を通して皆さんに提供しています。その活動は、いわば元気の源、アタッカー役とセッター役であり、帝人ナカシマメディカル様の人工関節は、一度、くじけそうになった方に、再び、元気に自由に過ごせる希望を与えておられるセッター役とリベロ役であると考えます。
ぜひ、「人が元気に自由に過ごせる」をキーワードとして、タイ市場の販路拡大を含めて、御社の広報シナリオやイメージ戦略を描くサポートをシーガルズにさせて頂きたい、と提案させて頂きました(岡山大学との引き続いた連携についても要請頂きました)。

4スポーツチームとの情報交換~川崎フロンターレ様

J1川崎フロンターレ様のサッカー事業部海外事業担当の池田圭吾マネージャーが、JETRO岡山(シーガルズブース)を訪問下さいました。高田取締役と小職が対応、タイやベトナムをはじめASEAN諸国で活動実績がある、川崎フロンターレ様から海外活動の様子をお聞かせ頂きました。そこでは連携する相手国チームや企業との交渉プロセスや直面している課題など、また、国内では、スポンサー(企業)、スポーツ庁(国)、川崎市(自治体)との関係強化に向けたご努力についてなど、貴重なお話を拝聴することができました。
シーガルズからは「岡山県にはファジアーノ岡山様があるため川崎フロンターレ様との連携はできない」旨をお伝えしたところ、川崎フロンターレ様も、「それは信義則上、その通りです。」と言われつつ「海外での連携は可能性がある点」をご示唆頂きました。シーガルズからは、タイでのスポーツにおいて男子はサッカー、女子はバレーボールである点を活かした、サッカーとバレーボールの子供向けの教室の共同開催などを、タイのスポーツをスポンサーとして支えている、味の素さんやトヨタさん、ダイキンさんなどに提案する企画案の検討可能性をさせて頂きました。シーガルズは、味の素さんの「勝ち飯」で岡山ローカルながらコラボした実績がある点を強調させて頂いたところ「勝ち飯は、良く知っています」とのお返事と、今後、継続した協議の機会を頂きたい旨を申し上げましたところ「喜んで」と快諾いただきました。
タイでの活動を継続するとするならば、大きな関係性を築けたと感じました(シーガルズの知名度、信頼性、関係性の強さと高田取締役の交渉力に脱帽です)。

5国際機関との情報交換~国際協力機構(JICA)

国際協力機構(JICA)のタイ事務所の鈴木和哉所長が、岡山県のブースを訪問くださいました。鈴木所長からは、国際協力機構(JICA)と岡山大学との医療連携による活動が話題となりました。これまでは大学間の研究や学生の交流を深めてきましたが、これからは、スポーツをきっかけとして、スポーツ、健康、医療産業の分野を起点として、産官学連携を深められるように、大学間での交流の枠を超えた連携の可能性を大学としても検討、推進して参りたい旨をお伝えいたしました。
鈴木所長からは、「JETROさんはもとよりJICAとの連携を踏まえた、タイはじめASEANでの連携について、具体的な話し合いを希望します」とのコメントを頂きました。

6その他の情報交換~中国銀行など

中国銀行のバンコク駐在員事務所の大槇康之事務所長が訪ねてくだしました。「中国銀行として何かお役にたてることがあればお話しください」とのコメントを頂きました。「ここまで交渉が進みましたのも中国銀行様のご理解があってのことです」とお返事申しあげておきました。
また、バンコクに居た、岡山大学大学院ヘルスシステム科学統合研究科の学生も顔を出してくれました。

7マスコミ対応~テレビ瀬戸内(TSC)

今回のタイ日本博へは、岡山シーガルズ地域連携活動をメインテーマに、特番に向けた取材にタイへ随行されました。シーガルズの皆さんや参加企業経営者への取材に加えて、三村の担当は、なぜ岡山の企業や自治体がタイとの関係を重視するのか、さらにタイ国の経済成長の様子やインバウンドのシナリオについてのコメントを担当しました。
今回のタイ日本博でのPR効果を検証するとともに、今後のアクションプランを検討するために、JETRO岡山と岡山県と岡山シーガルズの3者で作戦会議を持つ予定です(三村は岡山シーガルズの顧問で参加するも、岡山大学としての参画可能性を探り、「学の領域」に関する案件があれば、文部科学省やスポーツ庁への相談も含めて、学内へ持ち帰ります)。