山口にてお盆


この歳になりますと身内でも新盆を迎える機会がふえて参ります。
義兄の妹さんが亡くなり、今年が新盆です。
8月15日、早朝からお線香を用意して、一路、義兄の妹さんが眠る、菩提寺浄土真宗本願寺派 龍頭山「圓龍寺」を訪ねて、山口の湯田温泉まで参りました。
ここ圓龍寺は、幕末に井上薫が暴漢に襲われ、重傷を負った場所だと義兄から聴いていました。確かに広い立派な境内であり、本堂も大きなお寺でありました。
墓地では、新しい墓石を探しましたら、直ぐに見つけることができました。
途中で求めた菊の花をお供えして、お線香をあげました。
享年70歳ということで、早すぎる他界です。
ありし日の思い出を噛みしめながら猛暑のお盆をおくりました。

お参りを済ませまして、名勝「瑠璃光寺」へ参拝、国宝の五重塔は修繕工事中ということで拝めませんでしたが、本堂へ参拝、御朱印を頂いてから、大内家という室町期西国を制した大国の基礎を作った「山口開府の父」とされる大内弘世公像にご挨拶をいたし、お昼に東京庵みて「長州蕎麦寿司」(定食)を頂きました。日本蕎麦の巻き寿司は、誠に珍しく初体験でした。また、もり蕎麦も手打ちで良い味を出しており、さらに蕎麦外郎(ういろう)が絶品でした。
腹ごしらえをしましたので、丁度、お昼時となり、山口カトリック教会ザビエル記念聖堂へ向かいまして、お盆の鐘をつかせて頂きました。
戦禍が一日も早く終息するように、心より深く平和への祈りを捧げました。
そして聖堂も時間をかけて見学させて頂きました。
遠く欧州から喜望峰を回って、長い旅の末に日本へ上陸、さらに日本への布教の道筋が分かり易く説明されていました。
また、キリスト教弾圧の歴史も克明に記され、当時をしのぶ遺品の数々が展示されていました。聖堂の周りを囲むように白いユリの花があちらこちらに咲いていました。

クルマで湯田温泉の方へ走りまして、義兄夫婦が結婚式を挙げたという「山水園」へ参りまして、名湯「翠山の湯」に入湯させて頂きました。入湯料1,600円と少々お高い感じはありますが、そのプライスに見合う、見事なしつらえのお風呂と、しとやかな優しいお湯に大満足いたしました。お風呂から出ますと、丁度、雷鳴が轟き、スコールのような激しい雨が降り出しました。しばらく様子を見ましてから、そろそろとクルマを走らせ、JR湯田温泉駅近くの外郎発祥と言われる老舗「御堀堂」にて、生の外郎の3色詰め合わせを、自宅用に買い求めました。駅前の白狐像の前で記念写真を撮り、さらに、クルマですぐの山口大学正門でも記念撮影をしてから、帰路につきました。

高速道路のICの近く、山口外郎の名店「豆子郎」にて、孫たちへ詰め合わせを作ってもらい郵送の手続きをしけたら、店内の喫茶にて見事な展示の品々を拝観、そして「白玉あずき」とお抹茶を頂きました。
そして、手入れの行き届いたお庭を一回りさせて頂いてから帰路につきました。
誠に、山口の歴史と文化の深さに触れさせて頂いた、お盆の墓参となりました。

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