次はカバンストリート訪問です。
午前中に廻った時に目を付けていた、ストリート入口の「ARTPHERE」さんで、小型のショルダーバッグを買い求めました(ありがたい事に、革製のネームタグを自宅へ後送してくださいました)。
ところで、豊岡がカバンのまちになるルーツは、円山川沿いに自生する杞柳(コリヤナギ)で編んだカゴから、江戸時代、豊岡藩産業振興により「柳行李(やなぎごうり)」の生産が隆盛を極め、それが「行李かばん」として進化、その伝統技術をベースとして、皮を活かした縫製技術を融合させることにより国内トップのカバン産業が展開、「カバンの聖地」と言われるまでになったと、視察訪問先の「Maison Def」オーナー下村浩平さん(2020年3月、豊岡市の「カバンストリート」の元老舗料亭を再生した複合施設「とゞ兵」1階にオープン)からご説明を受けました。
そして場所を移動して、彼の主宰するカバン工房にて、杞柳(コリヤナギ)の現物と昔の「行李かばん」現物を拝見することができました。下村さんは、福岡県から移住し、努力を重ねながら独自のカバンブランドを確立され、演出家・劇作家で芸術文化観光専門職大学学長の平田オリザさんとも親交が深いとのことです。下村さんの哲学と実践は、「カバン業を起業、業として独立するためには、専門機械や資材、材料の購入など、かなりの手元資金が必要です。その独り立ちするまでの課題を払しょくして環境を提供するために、誰でも使える機材(専門ミシンなど)や素材、さらに世界のトップブランドの情報などを準備して、みんなが初動のリスクを気にせずに、切磋琢磨、技を磨く作業に専念できるプラットフォームが必要だと思い、後進の育成を目的に立ち上げたのがこの工房です」と説明頂きました。これは目から鱗ながら、誰にでもできる仕業ではありません。感激いたしました。昔からの伝統的な技を守りながら、新たな手法を駆使して、世界に通用する新たな産業を興そうとしている豊岡のカバン産業に乾杯です。
さて、夕方からは、駅前の豊岡市が整地した芝生広場を使い、「PechaKucha Night Toyooka」が開催されました。PechaKucha Night(ぺちゃくちゃナイト)とは、誠に面白い取組みで、20枚のスライドを1枚あたり20秒使ってプレゼンテーションする形式で、自らの主張を参加者に聞いてもらい、そのプレゼンを聴いた参加者も自由に参加者同士で話し合うというイベントです。主催者の説明によれば、「2003年2月に東京で初めて開催されて以降、そのムーブメントは全世界1200以上の都市に広がっています。豊岡では2022年にスタート。これまで5回開催をして、プレゼンターは27名、来場者は累計約200名に参加いただきました。第6回となる今回の開催は、初の屋外開催で、豊岡市の地域づくり課で実施している若者事業とのタイアップ開催であるとの説明を受けました。
プレゼンのメインテーマは『芽吹く』であり、3名のプレゼンテーターから興味深い話題提供と豊岡の新たなまちづくりに向けた提案がなされました。また、トークゲストとして、尾野寛明さんが招かれました。
家族連れはじめ多くの市民の皆さんの笑顔とお喋りが渦巻く会場で、財団や豊岡市の地域づくり課の皆さんと缶ビールで乾杯、楽しい時間を過ごさせて頂きました。
また、夜は地域づくり課を含むくらし創造部の谷岡慎一部長をはじめ部の皆様と財団とで、会費制により意見交換をはじめ交流会を持たせて頂きました。
日本海の海の幸を堪能させて頂きました。
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