行こう、行こうと思いつつ、ここしばらく仕事が多忙で機会をつくれなかった、岡山県立美術館で開催中の「北斎・広重の浮世絵風景画展」にようやく参りました。葛飾北斎は、1760年生まれで1849年没、歌川広重は、1797年生まれで1858年没と二人の天才画家は同じ時代を生きており、共に影響を与え合ったと言われています。当日は、自宅から西川緑道経由で、いつもの散歩コースを美術館まで参りました。思いのほか早く着いたと入館しましたら、展示場内には既に長蛇の列ができており、その列に合わせて順に作品を拝観するという暗黙の並びがありました。途中で、比較的自由に拝観できるようになりましたが、まずはその列に合わせて丁寧に拝観することとしました。休日のため声はかけませんでしたが、岡山大学の職員や教員の顔もありました。
さて、展示の数が多くて驚きましたが、やはり間近に見る北斎の「富嶽三十六景」と広重の「東海道五拾三次之内」は圧巻であり、お気に入りの作品の前では、しばし足をとめて、細部まで食い入るように拝観させて頂きました。また、江戸の風景画や人物画も、当時の暮らしや文化を垣間見るには十分すぎる憎い構図と、人のしぐさは動いていると錯覚するほどの見事さでありました。
県立美術館の解説によれば「大胆な構図で知られる北斎、叙情性豊かな描写が際立つ広重、他の追随を許さないこの二人は、いかにして名作を生み出したのでしょうか。北斎は70年におよぶ画業の中で多様な制作活動を続けながら、そのひとつの到達点として「冨嶽三十六景」をつくりました。一方、本作の刊行当時、いまだヒット作のない一介の絵師であった広重ですが、それ以後「東海道五拾三次之内」のように、北斎とは異なる方向で自らの画境を切り開いていきます。本展では、江戸東京博物館の所蔵する作品から、北斎の「冨嶽三十六景」全46点のほか、「東海道五拾三次之内」「名所江戸百景」といった広重風景画の名作など、計213件を一挙公開し、二人の絵師の挑戦をたどります。」と解説されています。
グッズコーナーで、今回の展示会の冊子、広重「名所江戸百景」トランプ、そして亀が吊り下げられていながら富士を眺める構図が面白い広重の「名所江戸百景 深川万年橋」絵を土産に買い求めました。
見逃さずに来てよかったと大満足でありました。
さて、この日は晴れ渡り快晴です。
旭川からの岡山城もくっきりと眺めることができました。
さして美術館の近所に位置する蕃山町にあります岡山藩藩学跡にある池は一面が水連で覆われていました。そして可憐な蓮の花を眺めることができました。
熊沢蕃山先生の顕彰碑の傍には、桔梗の花が見事に咲いておりまして、猛暑ながら、目には涼やかな心持ちを頂くことができました。
お昼になりましたので、季節折々に変わり蕎麦を出してくれる日本蕎麦の美味しいいお店として有名な「伊織里」で、冷たい鴨蕎麦(せいろでなく丼ですが)を賞味いたしました。七味に加えて、山椒をつけてくれました。三つ葉がたっぷり入ったつけ汁で大盛りを頂きました。
帰りは、岡山市で昭和28年に川魚問屋として創業、天然物にこだわる「光吉商店」さんにて、60年つぎ足しのタレ付き天然鰻丼を持ち帰りで買い求め夕食で頂きました。
暑さ厳しき中ですが、マイペースで身体に気を付けながら、楽しい時間を創って過ごして参りたいと思います。
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