湯の瀬温泉

岡山県には数多くの温泉場があります。
2月12日は、吉備中央町にある湯の瀬温泉に初めて参りました。

すぐそばには岡山は池田藩の湯治場と言われた小森温泉があり、そこへは何度か訪れたことがあります。そこから数キロ豊岡川を上りますと、湯の瀬温泉は藤井旅館として営業しています。昔ながらの木造旅館は郷愁を誘います。左右に「湯の瀬温泉」「藤井旅館」の銘が入った大きなガラスの玄関戸を開けると、中から女将さんの「いらっしゃいませ」の優し気な声です。「立ち寄り湯ですが、お世話になります」と申し上げ、宿に上がらせて頂きますと、手書きの「かもなべ、ボタンなべあります。おいしいですよ どうぞ」の文字が目に飛び込みました。書としても味があり、眺めていますと、女将さんから「おいしいですよ、次回はお泊りでぜひどうぞ」と笑顔で声をかけられました。家族で来る際には、予約したくなりました。

さて、玄関から受付のある大きな部屋を奥まですすむと下り階段があり、その階段を降りますと豊岡川沿いに建てられた宿ですので、階下に庭とお部屋があらわれました。そして階下の廊下を先まで進むと湯船の入り口がありました。他にお客さんがいなくて貸し切りで小一時間ゆっくりとお湯を楽しませて頂きました。まどはスリガラスなのですが、一番上の部分が透明のガラスになっていて、湯船の淵に立ちあがりますと、眼下に豊岡川を眺めることができました。
岡山観光WEBでは「川床から温泉が沸き出す湯場として、古くから親しまれています。泉質は硫黄鉱石アルカリ性単純泉。僅かに白濁したアルカリ泉でヌルヌル感があり硫黄臭が特徴の源泉掛流し湯。」と紹介されています。

湯船の写真もここから拝借して紹介したいと思いますが、確かに少し濁っていて、とても肌に優しい感覚です。少しぬるめでしたが、女将さんから「蛇口をひねると熱いお湯が出ますから調整しながら入ってください」とアドバイスを頂いていましたので、少し熱めになるまで、お湯を投入させて頂きました。濁り系の温泉は岡山県では珍しいと思います。なんだか効き目がありそうに思えてきましたので、何度も手で掬って顔にかけました。
確かに、数日間、肌がつるつるのままでしたので、美肌効果もあると感じました。
湯上りに、川の向こう岸に整備されたキャンプ場がありましたので、散歩がてらに見学させて頂きました。バーベキューができる設備と簡単なバンガロー棟が並んでいます。
孫たちは、温泉よりバーベキューの方が喜ぶだろうな、と想像しました。

帰りに道の駅で名物の「焼き鯖寿司」と地元産の野菜を仕入れて帰路につきました。
夜は、地元食材のおでんと焼き鯖寿司で地産地消尽くしの晩餐といたしました。