日本金融学会2012春大会にて報告

5月20日(日)、東京五反田の立正大学にて開催された日本金融学会の2012年春大会のセッション「金融機関」で報告しました。テーマは「労働金庫におけるリレーションシップバンキング」です(リンク先からPDFをご覧いただけます)。
立正大
 ▲&nbsp会場となった立正大学
今大会では、初日から東日本大震災復興に向けた地域金融や政策金融の在り方が議論されました。小職は、二日目の朝からの報告でした。
協同組織金融機関の一員である労働金庫は、労働組合を主たる取引先とした職域金融機関と言われながら、それぞれの地域性を大切にした活動を展開してきました。
労働金庫が持つ協同金融としてのCommon Bond(コモンボンドとは、協同組織金融機関の存在意義の根幹をなす信頼関係を支えるものであり、共有する価値を会員相互が認識することにより、会員(メンバー)間の利害の共通化が図られ、ひいては信用事業としての安定性・安全性である会員への利益相反行為を慎む効果とコスト低減効果を育むと言われています)について、2010年度から、改正貸金業法が完全施行された最初の年であることを踏まえ、「健全な消費者金融市場の形成に向けた取組み」についても、地域密着型金融の対象として、金融庁の顕彰対象を含め積極的に取り組みが進められることとなり、この観点からは、地域や企業で働く勤労者や地域市民に対して、古くから多重債務者向け相談や教育活動に力を入れてきた労働金庫が、地域密着金融の強化の面から機能する意義は大きいとして持論を展開させていただきました。
地域にある金融機関は、こうした地域における「絆」を地域の諸団体と共に考え、地域社会を支えるために貢献してゆく必要があります。
この「地域金融」のセッションは、司会を早稲田大学の晝間文彦先生がつとめられ、横浜市立大学の藤野次雄先生が討論者(コメンテータ)として指導にあたってくださいました。藤野先生のご指摘はどれも正鵠を得た内容で、今後の研究の課題として大変勉強になりました。
日本金融学会2012春大会
 ▲&nbsp「共通論題 金融危機後の金融規制の新潮流」の様子
また、会場には、現在、九州大学博士課程で御指導を頂いている川波洋一先生のお姿もあり、相当に緊張いたしました。質疑応答の時間では、川波先生の門下で、欧州における協同金融の領域で御指導を頂いている拓殖大学の山村延郎先生から地域における協同組織として生活協同組合との連携を労働金庫として模索すべきであるとの御示唆を頂きました。
この九州大学川波先生とその門下の先生方で昼食に参りました。川波先生からも励ましのお言葉とアドバイスを頂くことができました。

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