1月4日、瀬戸内市邑久町虫明の裳掛地区をおたずねしました。地元の方以外で、この地名をすらすら読める人は達人です。「せとうちし、おくちょう、むしあけ(げ)、の、もかけちく」と読みます。ここは瀬戸内海の中でも最も景観に優れた地域のひとつです。美しい島々に牡蠣筏が並んで浮いています。海では牡蠣の養殖、陸ではピオーネの栽培が盛んな地域であり、伝統の虫明焼きの窯もあります。ここ裳掛地区で岡山大学の学生たちが耕作放棄地を活用してじゃがいもとさつまいもの栽培を地元のみなさんにご指導頂きながら行っています。
その現地を地域の会長である服部さんに案内いただきました。まず、畑には害獣避けの電気柵や鹿が飛び込むのを防ぐネットが張られているのに驚きました。広さは十分すぎるほどであり、学生たちはある程度の人数を確保して、うまくローテーションを組まなければ、十分な働きができないことが想像できました。同時に、学生たちのために地域の皆さんたちは相当に気を使っていただいていることも想像できました。学生たちの地域活動は互恵性がなければ成立しません。つまり、学生たちは地域から学び、地域は学生たちの働きにより元気が出るという互恵性です。
また、課題としては足の問題と収穫物の販路開拓があります。岡山市内からここまでは30キロほどあり、クルマなら国道2号線バイパス経由で虫明IC下車すぐなのですが、鉄道を使うと赤穂線邑久駅からバスの便(東備バス)が極めて少ないため往復に難儀します。こうした点をいかに克服するかが課題になりそうです。
次が、収穫したじゃがいもやさつまいもを如何に販売するかです。理想は単純に現物をJAなどに引き取ってもらうことになりますが、近所には地産地消販売を進める道の駅がありますし、服部会長によれば、できれば6次産業化のアイデアを出すために、学生たちにまずは現物の生産・収穫から体験して欲しいとの願いがあることをお聞きしました。こうした課題の解決に向けて、まずは学生チームの足腰を鍛えるところから指導をスタートさせたいと考えています。
また、こうした取組みを岡山県下の皆さんに知ってもらう企画として、天満屋本店の地下食料品売り場にて瀬戸内市フェアが開催されています。
そこへ、学生たちが栽培したじゃがいもが登場しています。瀬戸内市役所の方をお手伝いしながら学生たちも販売活動を展開しています。皮まで食べられるがウリで味は保証付きとか。1袋400円で、収穫の際に少し表面に傷が付いたものは半額の200円です。2袋買い求めました。
また、隣のブースでは虫明名産である牡蠣を使った「牡蠣の家 しおかぜ(野崎末廣)」さんの「牡蠣の燻製オリーブオイル漬け」と牡蠣味噌は絶品です。ともかく、お世辞抜きで、これは美味しいです。クセになると思います。ぜひオリーブオイル漬けと牡蠣味噌をセットでご賞味くださいませ。下記「牡蠣の家 しおかぜ」さんHPから購入できます。
邑久町虫明裳掛地区訪問~天満屋で瀬戸内市フェア
学生栽培のじゃがいもと絶品「牡蠣の燻製オリーブオイル漬け」
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