心の置き場

一社)全国労働金庫協会理事・監事セミナーが、9月20日、御茶ノ水のホテルジュラクにて開催されました。

昨年に続き講師をご依頼いただき、東京へ出発、岡山駅で駅弁を買い求めました。岡山名物「祭りずし」の高級バージョン、「極」(キワミ)を発見、少々値段は高いのですが試してみました。これまでの「祭りずし」より、一点、一点が高級です。おいしかったです。ここ2年くらいで駅弁の味が向上している気がします。いろいろな工夫がされています。

さて、セミナーでは、麒麟ビール元代表取締役副社長の田村潤氏による「麒麟ビール高知支店の奇跡~勝利の法則は現場で拾え」の講話は胸にしみました。


田村氏は、カープの優勝について「新井選手は、ファンに喜んでもらうためだけにプレーする、それだけを支えに40歳だけどやってこれた、と語っている。それを自分の心の支えにして、日々、懸命にプレーしてきた。つまり心の置き場の問題であり、何事においてもそれが一番肝心である。」と述べ、つまり「昔のキリンビールは、上司から言われたことをやるという心のレベルが支配していた。そこでは周囲の環境や規則のせいにする事を含む他責にする、できない言い訳を並べる、そんな光景が日常茶飯事であった。ところが心の置き場をお客様やファンの笑顔や感動のためと置き直すことにより、社員の見える景色が一変した。そして奇跡は起こった」と言い切りました。

さらに、自らは神や仏にすがるタイプでは無いと断りながらも、「そうしていると宇宙から信じられない力が降臨するがごとく、幸福が次々と舞い降り(周囲が助け・支えてくれ)大願成就するものである。例えば、箱根マラソンは一人で走るより、たすきを渡すという行為によって一人の能力の限界を超えた力が生まれ、それが合わさってチーム力となり卓越した力量を発揮する。心のスイッチを「自分のため」から「お客様やファンのため」に切り替え、真剣に汗をかく姿がお客様やファンに伝われば、思わぬ幸福が舞い降りるものである。企業経営、プロスポーツ、オリンピック、「誰のために、誰かのために」、心の置き場をどこにするかが大事である点では同じである」と結ばれました。

小職も前座で「勤労者福祉金融」をテーマに講師をつとめさせて頂きましたが、巨星だったキリンラガーがアサヒスーパードライの出現により凋落の一途をたどり、それを高知という地方都市での首位奪回から全国に広げ、名門キリンを復活させた立役者の講話は、圧倒的な説得力であり、格の違いに恥ずかしい思いでありました。

参加者に元岡山県の内野淳子副知事(現在、横浜国立大学監事)がおられ、主催者である労金協会中江公人理事長(元防衛省事務次官)と共通の話題が、岡山県西粟倉村の「森の学校」であり、懇親会では環境保全と森林談義で大いに盛り上がりました。