人を大切にする経営学会中国部会設立

6月23日、朝から人を大切にする経営学会の開催地となる広島市へ向かいました。

きれいに改装された広島駅はおしゃれになっていました。広島駅から路面電車で原爆ドーム前まで参り、まずはドームに黙祷をささげました。外国人観光客や修学旅行の中学生の一団など、朝から大勢の方がガイドさんの案内で解説に聞き入っていました。

天気は快晴、既に午前中に気温は高く汗ばむ陽気です。公園の木陰で少し気持ちを落ち着けてから、ここから程近い県立広島大学サテライトキャンパスひろしまに入り、事務所で受付を済ませました。早速、学会の準備に入り、会場レイアウト、パソコン・プロジェクターの設定、映像・音声テスト、案内板・順路の掲示、受付の設営、資料の配布など、てきぱきと進めます。そうこうするうちに、登壇される皆さんが揃われました。

さて、「人を大切にする経営学会」が設立されたのは3年前の2014年9月23日です。本学会設立の目的は、経済社会のボーダレス化・グローバル化、ソフト化・サービス化が進展するなかで、企業に関係する人々の幸せを重視した経営学の実践と理論構築が求められており、業績重視・シェア重視といった経営ではなく、人の幸せを重視する経営の実践こそが、結果として企業に安定的な好業績をもたらすという経営学の普及・深化を目指すことです。それは、単に産業界の経営の在り方だけではなく、広く医療関係者や、産業支援機関関係者に多大な影響を与えるものと思われます。こうした背景を踏まえて「人を大切にする経営学」をなお一層深め、理論化・体系化を研究するとともに、再び活力に満ち満ちた企業や社会の創出を目的に「人を大切にする経営学会」が設立されました。

そして全国に地域部会の設立が進む中で、中国部会設立に向けた準備を進め、2017年6月23日(金)、県立広島大学サテライトキャンパスひろしまを会場に、中国部会設立学会と公開フォーラムを開催する運びとなりました。この度の中国部会設立にあたっては、中国経済連合会、岡山経済同友会、経済産業省中国経済産業局の後援を頂きました。

午後1時開始、学会の冒頭で、小職(本学会理事)から設立の意義と目的についてお話しいたしました。続いて、本学会の事務局の藤井正隆次長から、本学会の紹介と会員の募集案内をさせて頂きました。

講演1では、学会長の坂本光司 法政大学大学院政策創造研究科教授が「いまこそ人を大切にする経営が企業を救う」、講演2では、島根電工株式会社の荒木恭司 代表取締役社長が「社員本位による気が組織の活力を生む」と題して、記念講演としての位置づけで講話頂きました。坂本先生の講演では、人を大切にする経営を行う企業の条件として、①人を大切にする経営をぶれず実践している企業は好業績、②人を大切にする経営をぶれず実践している企業に人財が集まる、③人を大切にする経営をぶれず実践している企業の離職率は低い、④人を大切にする経営をぶれず実践している企業の社員のモチベーションは高い、⑤人を大切にする経営を実践している企業の社員の子供の数は多い、⑥人を大切にする経営をぶれず実践している企業は地域を大切にしている、との問題提起がなされました。また、実際にこうした事業展開をしている全国の企業紹介がなされました。また、荒木社長の講演では、自社島根電工の重視する経営方針として、1番目に大切なのは社員とその家族、2番目は関連会社の社員とその家族、3番目にお客様、4番目に地域とその社会、5番目に株主、との順序である点を具体的な経営内容を紹介しながら、こうした経営の結果として、売上、収益共に向上を続けているとして、会場の参加者から惜しみない拍手がおくられました。
続く、パネルディスカッションでは、テーマを「世のため人のため社員のために幸せを育む経営を考える」として、萩原工業株式会社の萩原邦章 代表取締役会長(岡山経済同友会前代表幹事)、もみじ銀行の神田一成専務取締役、セリオ株式会社の壹岐敬代表取締役社長が登壇、各企業の取組みについて経営理念と実践について紹介いただきました。小職がコーディネーター役を担当いたしました。

本学会活動は学際的であり、大学研究者・大学院生、経営者、医師・医療関係者、弁護士はじめ士業、コンサルタント、金融機関、経済団体、自治体関係者など幅広で、この日も170名という多数の皆さんが全国から参加してくださいました。

会終了後の情報交換交流会では萩原工業萩原邦章会長が乾杯の音頭に立ちました。多くの皆さんが名刺交換と情報交換をされました。

今日をキックオフとして、中国地区の力を結集して、人の幸せを重視する経営の研究と実践展開を進めて参りたいと思います。