イトーヨーカ堂岡山店閉店

岡山市市役所筋のイトーヨーカ堂(開業は1998年11月)が閉店するとのニュースが入りました。報道によれば、イオンモール岡山が開業した2014年12月以降の売り上げ低迷が主たる理由とみられ、2017年2月末をめどに閉店するそうです。今後は、不動産ファンドから土地と建物の信託受益権を購入した両備グループが跡地の活用策を検討すると見られています。

長引くデフレや地方経済の低迷により、各地の商業を取り巻く環境は厳しさを増しています。一説には、イトーヨーカ堂だけをみても2017年初めのころまでに全国でおよそ20店舗を閉鎖する方針を立てているようです。最近の情報でも、岡山市の北部にある「イズミヤ津高店」と倉敷駅北口にある大型商業施設「アリオ倉敷」に入っていた「イトーヨーカドー食品館倉敷店」が8月末をめどに撤退します(イズミヤ津高店の閉店セールに参りワイシャツと下着を購入いたしました)。

さて、セブン&アイグループのイトーヨーカ堂とイオングループのイオンモールが全国的に激しい競争を展開していることは周知のことながら、採算割れした店舗を閉店して、その地域からいなくなる大資本ビジネスの手法は、その地域経済にとっては決して好ましいことではありません。つまり、大型商業施設のオープンにより、昔からその地域にあった商店街や百貨店、専門店は売り上げ収益が減少、先に経営不振になり事業継続が困難と陥り閉店、その後でイトーヨーカ堂やイオンなどの大型商業施設が撤退すると、その地域には何も商業施設が残らないため、通称、焼畑ビジネスと呼ばれています。もちろん、製造業、卸業、流通業など地域産業全般に大きな打撃を与え、雇用にとってもマイナスの影響が波及します。ただでさえ、人口減少が進む地域社会にとっては、地域の活力や魅力が根こそぎ失われるため、結果として市民生活に大きな打撃を与えることとなります。

岡山大学地域総合研究センターが岡山市と岡山商工会議所の依頼で担当した商業調査分析によれば、イオンモール岡山のオープンにより、市内の競争環境は激化、イオンモール岡山の顧客呼び込み効果により、全体が押し上げられれば良かったのですが、今のところ、百貨店、商店街、大型商業施設、そして当のイオンモール岡山も含めて、思うような効果はあがっていないとの結果が出ています。

こうした結果について危惧していたところ、今回のイトーヨーカ堂撤退の知らせです。これからの市内商業界の動向を注視して参ります。

7月19日、岡山トヨタ本社で打ち合わせがあり、たまたま同社の屋上から撮影したイトーヨーカ堂です。