コミュニティ政策学会第15回全国大会

7月3日、コミュニティ政策学会第15回全国大会に参加いたしました。報告は自由論題部会C、会場は江戸川大学B棟6階603教室、のセッションにて「地方創生と大学の果たすべき役割-「おかやま地域発展協議体」の設立-」のテーマで報告をいたしました。この部会は、おもに外的組織の地域コミュニティへの関与・影響に関する論考、を中心とした報告です。司会は、碇山洋金沢大学教授が務められました。金沢大学とは、3都市シンポジウムはじめ、日頃からのお付き合いが濃密であるため、和気藹々とした雰囲気で部会へ参加することができました。

報告者は、順番に、①三村聡(岡山大学地域総合研究センター センター長・教授)、「地方創生と大学の果たすべき役割-「おかやま地域発展協議体」の設立-」、②杉谷和哉(京都大学大学院博士後期過程)「『よそ者』としての自治体職員-大阪府能勢町の事例を手がかりに-」、③一井崇(立命館大学大学院博士課程後期課程)「京都府与謝野町における『よさのうみ福祉会』の地域づくりの取り組み-インタビュー調査を通じて考えるインクルーシブ社会への展望と課題-」、④野村実(立命館大学大学院社会学研究科)「市町村合併以後の地域公共交通再編に関する研究-京都府京丹後市の上限200円バスと自家用車ライドシェアの取り組みから-」、⑤岡本美乃(京都女子大学)、橋本梨佳(京都女子大学大学院)、加藤ゆうこ(京都市まちづくりアドバイザー)「京都市各行政区のまちづくりカフェ運営の多様性-まちづくりカフェ@東山「まちカフェラボ」の活動から-」でした。小職の報告はさておき、若手研究者諸氏の熱のこもった報告に、大いに学ばせていただきました。また、各報告へ積極的にコメントも申し述べさせて頂きました。本学会の生みの親である名古屋大学中田實名誉教授や前任校で同僚であった椙山女学園大学人間関係学部谷口功准教授のお顔もあり、とても有意義な学会参加でありました。

なお、今回の大会の大きなテーマは、「小規模多機能自治推進」でした。大会プログラムより、本報告を企画された名和田是彦(法政大学法学部、コミュニティ政策学会会長)の要旨を引用しますと「地域コミュニティそのものを法人化する制度(「スーパーコミュニティ法人」)を提唱している雲南市・朝来市・伊賀市・名張市を中心とした「小規模多機能自治推進ネットワーク会議」の関東ブロック会議とドッキングする形で分科会を開催する。小規模多機能自治推進ネットワーク会議及びかながわ国際交流財団のご協力により、関東の各自治体の協議会型住民自治組織(自治体内分権)への取り組みの相互交流と支援を行いたい。また、コミュニティ政策学会が重視してきた中山間地域に関する分科会が、今回は特に企画されていないが、それを補う意味もある。(企画責任者:名和田是彦(法政大学法学部、コミュニティ政策学会会長)」と記されています(残念ながら小職の報告が同じ時間帯であったため聴くことができませんでした)。

こうした地域コミュニティ組織の法人化促進が議論され、また地方創生の課題がコミュニティビジネスの創造ではありますが、ビジネス経験の無い自治体が補助金を活用して、法人化をどこまでリード出来るか、新たな課題を与えて頂いた学会でした。6次産業化の実現が、如何に大変かを実感いたしました。日々是学びの毎日であります。