自由時間「蝶々夫人」


年金暮らしとなりましたが、時間の束縛からは解放されました。
4月14日は、名誉教授へのお誘いという事で、岡山大学鹿田キャンパスのJホールで開催されたレインボーコンサート、オペラ「蝶々夫人」へ行ってまいりました。
お昼時に鹿田へ行った時の定番になりました、カレーの「ボン٠ヴォイージ」鹿田店にて、今回はカツカレーとホットコーヒーを頂きました。そしてお土産にカレーパンを2個、その場で揚げて頂きました。

さて、会場はほぼ満席でした。
蝶々夫人役の柳くるみさんの声は、誠に張りがあり、音量も会場の最後尾まで、流麗に余裕で響き渡りました。また、スズキ役の藤井美雪さんとの掛け合いは、ソプラノとアルトの絶妙なハーモニーが会場を魅了いたしました。
ピアノの上森佳枝さんの演奏も、繊細なところは一音一音丁寧に気を使いながら、そしてフィナーレを飾るクライマックスは大音声でホール全体を鳴らしました。

かつて、ニューヨーク出張のおりに、メトロポリタン歌劇場で、この蝶々夫人を聴く機会に恵まれた記憶が蘇りました。その時は、お名前は忘れましたが、大柄な黒人の歌手が蝶々夫人の役柄でした。
驚くべき声量で、他の登場人物の多彩さ、そしてもちろん、舞台装置や演出も最高峰、誠に見事でしたので、一幕、一瞬ごとに、感動のため息の連続でした。

それにしても現役時代は、時間を創るのが下手で、雑事に追われて、仕事の合間に、楽しいことで息を抜くのが精一杯でした。
退職した魅力は、この限られたひとときのために、気持ちをワクワクさせながら、そして会場に余裕をもって向かえる喜びであると言って過言ではないでしょう。
まさに、残日録に、「こころ落ち着きて、美しい響きに耳を傾け、いつしか身体を躍らせり」と言ったところです。