真庭の桜美

(1)醍醐桜

真庭市の北に鎮座する醍醐桜が満開と聞き、4月6日、早朝から向かいました。
ここは狭い一本道のため、一旦、渋滞し始めると大渋滞となり、山上の駐車場までたどり着くには、何時間もかかります。朝6時に出発、7時30分に到着しましたが、第2駐車場の最後の1台に滑り込めました。
種類はアズマヒガン(ヒガンザクラの一種)、新日本名木百選に選ばれ、昭和47(1972)年12月に岡山県の天然記念物に指定されています。伝説によれば、元弘2(1332)年、後醍醐天皇が隠岐配流の際、この桜を見て賞賛したといわれ、この名がついたそうです。
おかげさまで、樹齢が1000年と言われる、県内一の満開の大きな巨木に咲き誇る桜を、ゆるりと堪能することができました。

(2)桜並木

さて、醍醐桜を後に真庭市の市街地向かいました。
真庭市は、まさに町全体が桜の名所です。
真庭市役所に程近い、旧遷喬小学校の校庭の桜が満開でした。
そして旭川沿いのあちらこちらに桜並木があり、咲き誇ります。
そして桜のピンクと菜の花の黄色、若葉の緑が、素晴らしいコントラストをみせてくれ、まさに一幅の絵画を見ているようです。
思わず愛車のIQを並べて、1枚を撮りました。
既に13万7000キロを走行しており、時折、写真に撮りますが、これまでで最高の1枚になったと確信しました。

(3)出雲街道勝山地区

久しぶりに勝山地区を散策いたしました。
ここは出雲街道の宿場町として栄え、岡山県下で最初に「町並み保存地区」に指定された地区です。昔ながらの白壁の土蔵、格子窓の商家、古い町並みが残り、各家に掛けられた “のれん”が勝山地区のシンボルになっています。
一軒一軒を眺めて歩きながら、かつて出雲街道を往来した旅人に思いを馳せました。
また、戦時中に谷崎潤一郎が疎開していた記念碑を眺めながら当時の暮らしぶりを想像、また、さらに江戸時代、旭川を往来した高瀬舟に積み荷を上げ下ろしする地域の皆さんの姿を思い浮かべました。「御前酒」で有名な酒蔵、辻本店杜氏の辻麻衣子さんに声をかけて頂きました。

(4)名瀑「神庭の滝」

そして、勝山をあとに、かねてより訪ねてみたかった、高さ110m、幅20mのスケールを誇る西日本屈指の名瀑「神庭の滝」へ参りました。
駐車場から綺麗な川沿いを歩くこと5分ほどで入場口です。途中、やさしく落ちる玉垂れの滝が迎えてくれました。また、ここには日本猿が群生するらしく、大阪大学の観察施設がありました。さて、料金を払ってあること、さらに5分ほどで、一気に視界が開け、断崖絶壁を落下する滝が目の前に現れました。「滝の特徴は落差の小さい滝が何個も点在する段瀑である」ということながら、遠景としてのレベルは、日光の華厳の滝や紀州の那智の滝に匹敵するほどの圧巻であると申し上げて過言ではありません。想像をはるかに超えた風景です。もっと観光客がいても良いのでは、と素直に感じました。
「日本百景」「日本の滝百選」に選ばれており、この日は発見できませんでしたが、200匹近くの野猿が群生しているとのことです。

名瀑「神庭の滝」1

名瀑「神庭の滝」2

(5)真賀温泉

真庭市での心の休息の最後は、お気に入りの温泉のひとつである真賀温泉入浴です。
「昭和」の香りがする、レトロ感満点の源泉かけ流し、泉質が優しい岩風呂、お勧めの温泉です。
静かにゆっくりと石に腰を掛けて足を延ばして眠るようにつかります。
さて、真賀温泉は、日本一狭い混浴の浴室があることで有名ですが、男湯にはいっておりますと、壁を通して隣りからお喋りの声が聞こえて参りました。
飾らない、ひなびた温泉です。