東大阪市訪問③ 近畿大学の企業連携活動

東大阪市に拠点を置く西日本最大級の総合大学に近畿大学があります。2023年10月に開催される、同大学デザイン・クリエイティブ研究所主催イベントに、本事業も参加予定です。モノづくり企業と交流により、学生の将来の選択肢として、モノづくりやデザインに関わる職業を意識するきっかけとする流れが進められていて、同大学のモノづくり拠点など学内施設を、大学運営本部理工学部学生センター兼デザイン・クリエイティブ研究室の小宅(おおや)智之氏にご案内いただきました。
まず、新たな価値創造に挑戦するモノづくりスペースである「THE GARAGE」を訪問しました。ここは、日本一の中小企業の集積地にある総合大学ならではの拠点として、大学と企業が自由な発想で連携するモノづくりスペースです。地元企業を地域法人会員として、現在58社を受け入れています。学生と企業人が共育・共創するプロジェクトでは、「会員が有する素材の展示、企業同士の交流会など、大学と企業の垣根を超えた様々な機能」を有し、施設内には、学生が自由に議論するスペースや自由に使える機材が揃っていて、夜は10時まで使える環境が整っています。

次に、同大学が、令和4年(2022年)4月に学部横断型の新しい研究機関「デザイン・クリエイティブ研究所」を開設した、「アカデミックシアター」を見学しました。そこでは、デザイン、ビジネス、テクノロジースキルを持つ「高度デザイン人材」育成を目指し、総合大学らしく、学部、学問分野を横断した体制で、デザイン力を生かし教育・研究課題に取り組んでいます。そして、革新的アイデアを求める企業の相談を広く受け付け、理論と実践の両輪で社会課題に挑むことを重要視していることをご説明頂きました。この考え方は、岡山大学が目指す「知行合一」と同じであると感じました。また、このスペースは図書館が目玉です。設計施工に卓越的な先進デザインと機能が実感できます。玄関口には、原寸大の名物「近大マグロ」のレプリカが展示されていました。予想以上に巨大なサイズに驚きました。オープンキャンパスでは、実際のマグロで握られた美味い寿司が提供されるそうです。
独自性を自在に発揮する大学として、地味な傾向が強い国立大学は、そのコンセプトに学ぶ点が大いにありました。

夕方からは、東大阪市文化創造館を見学させて頂きました。1,500名収容の大ホールは、威厳に満ちたしつらえです。また、市民が多様に使える催事スペースや会議室スペース、そして和室(茶室)が完備されています。産業振興やスポーツ振興同様に文化活動にも力を入れているとの説明をご担当者から頂きました。充実した時間を過ごすことができました。
猛暑の中を、ご案内頂いた平川さんと職員の皆様に感謝です。

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