復興が確実に進む倉敷市真備地区

西日本豪雨災害から、この7月で4年を迎えます。
倉敷市からのご依頼により、真備地区復興計画の策定委員長、そして同計画の推進委員長を仰せつかっています。

5月28日は、休日を利用して、普段は見れていない地域の復興の様子を拝見しに真備へ向かいました。
途中で高梁川の倉敷酒津の酒津公園に立ち寄りました。

コッペパンの可愛いお店「まんまるコッペ」に入店、それから公園を一周して散歩を楽しみました。
この酒津の東西用水酒津樋門は、大正13年に完成し、取水樋門・南配水樋門・北配水樋門からなり、現存し今も活用されている水門としては国内最大級のものです。
何度来ても土木遺産としての人間の知恵を今に伝え活かす続ける技として見ていてワクワクします。鷺が涼をとっていました。

さて真備では、クルマであちらこちらを見て回りました。
川辺地区の災害公営住宅(障がい者対応2戸を含む40戸)はじめ、倉敷市が力を切れた復興のポイントや公的施設や商業施設など、外観からですが確実に復興を遂げつつあり、まちに元気があります。
さらに真備地区全体で、どこのエリアにも新築の家屋が多いことも地域が元気になっていることを表すポイント、証になると感じます。

また、まち記念病院の道路を隔てた向かい側で開催中のマルシェを見学させて頂きました。若い人や子供たちが興味を持ちそうな飲食やグッズ販売が軒を並べていました。
また、犬の里親を探すコーナーがあり、家族連れや子供たちが、ゲージを取り巻いています。西日本豪雨災害では、複数の避難所で学校の教室をペット同伴専用の避難所として使用した実績があります。また、民間の団体が被災避難したペットを預かった実績があります。つまり、多くの家屋が浸水被害にあった真備では、被災した住民の皆さんの避難生活が続くなかで、ペットと一緒にすごせる避難所を作る動きが本格化したのです。
一方で、犬をはじめペットも熱中症の対策が必要とされ、体温が高すぎたり、よだれが大量に出ているなどの症状に対して、日陰で水をかけて体温を下げてあげる、また、一方で、ペットが苦手な方との共存の避難所暮らしのツールづくりなど、創意工夫がされた実績があります。なかなかペットを飼い続けることは飼い主さんの覚悟と根気が必要ですが、こうした被災地での経験などが生かされながら、里親が見つかってくれたらよいなと願いました。

お昼は、水害で経営難に陥りながらも、粘り強く営業を続け、ここでようやく本格的なお店の再生を果たして、名実ともに真備の人気店となった、うどんの「さるや」さんを訪ねました。同店は復興に進む真備のシンボルとして、たびたびニュースで報じられたお店でもあります。
私自身、テレビせとうちの災害復興の特番で2度取材に訪問させて頂きました。

次に倉敷市真備ふるさと歴史館を訪ねて、館長さんから復興の様子と、来館者の推移などについて意見交換をさせて頂きました。ここ真備ふるさと歴史館は、旧岡田藩の歴史を後世に伝える役割を担っています。岡田藩は伊東家が治めた記録があり、現在の伊東香織倉敷市長も末裔であるとのお話もあるほどの土地柄です。
同時に、日本を代表するミステリー作家、横溝正史が 太平洋戦争末期に岡山へ疎開、ここ倉敷市真備の岡田地区で終戦を迎え、岡山を舞台に「本陣殺人事件」「獄門島」「八つ墓村」「悪魔の手毬唄」などを執筆したことで有名です。
その遺稿や本人にまつわる遺品や写真、映画の台本から書籍まで、多くの展示品が並び、横溝ファンが全国から訪れる人気の歴史観なのです。
ところが、ここも西日本豪雨災害では浸水、展示用のガラスケースは備え付けで動かすことが出来ませんでしたが、水が引いたあとも避難所としてもつかわれ、段ボールベッドが設営されて、落ち着くまでの拠点としても利用されました。

西日本豪雨災害から4年目、真備の復興は順調の印象です。