冨山県視察訪問~冨山市

高岡市から北上、富山大学を目指しました。
富山大学は学生数約10,000人、岡山大学が13,000人ですので、ほぼ同等規模の国立大学です。キャンパス内へ車の乗り入れが自由にできたため、ゆっくりとキャンパス内を見物させて頂きました。街路樹が見事で、学生たちの声が心地よく聞こえて参りました。
ここ富山大学見学の目的は、通学の足として路面電車がキャンパス脇まで延伸したことで、その様子を見学させて頂くことです。
冨山駅から大学までは、そこそこの距離がありますので、徒歩では無理があります。
バス便もあるのでしょうが、路面電車は本数が多く、これは便利です。若者に移動の自由度を高めて住みやすさを提供することは、地方創生の重要なキーワードの一つです。


岡山大学にもあれば、さらに大学の魅力が高まること間違いないと確信いたしました。
こうして富山大学をあとに、ホテルにチェックインしてからレンタカーを返し、夕方、市民プラザにて、森雅志前冨山市長と待ち合わせをいたしました。
5期務められた市長職を自ら道を後進に譲られ、頂いたお名刺は「梨園」経営となっていました。ご尊父様が梨の栽培をされていたとか、現役を退かれたあとは、その道を継ぐことを決められていたとお聞きしました。
さて、市民プラザ内にお部屋を持っておられ、そこで1時間余り、これまでのご足跡と今後の公共交通を核とした新たなまちづくりへの方向性を自らのパソコンを使い熱心にレクチャー頂きました。ひとつひとつのテーマが、実践知に裏付けられた内容であるため、計画はあっても実践を伴い、さらに結果をだすことは本当に困難を伴います。一方で、5期の森市政では、県外からの転入者を実際に増加させて、さらに公共交通をベースとしたコンパクトシティの実現により税収を増やし、増加分を中心市街地以外の行政サービスが手薄なエリアへ再投下することにより、富山市全体をボトムアップさせる政策まで実践展開している、PDCAサイクルのスパイラルアップに頭が下がりました。まさに地方創生の具体的な実践展開です。
貴重なお話を頂いたあとで、冨山の新鮮な海の幸を提供しているお寿司屋さん「美乃鮨」にご案内頂き、名物の白エビはじめ新鮮な魚介と銘酒立山で懇談の時間を持たせて頂きました。また、「路面電車で行く富山の寿司」案内をご披露頂きました。これは北陸新幹線の開業に合わせて、観光キャンペーンを企画、普通の東京中心のキャンペーンスタイルでは、知名度に勝る金沢に観光客を持っていかれてしまうと考え、隣の長野県の観光拠点「軽井沢」の有名ホテルに案内を配布、海がない長野県や群馬県、そして東京から滞在できているアッパー層を狙い、新幹線+路面電車で富山の極上のお寿司を食べに来ませんか、とのキャンペーンを展開したそうです。その結果、いまでは大勢の常連客を得ることができたと、お店の女将さんが嬉しそうに話してくださいました。
また、市長職を退任されましたので、これまでの首長としての覚悟と政策決断、そして苦労話の数々をお聞きすることができました。とても貴重な時間を過ごすことができました。そして20時にお開きとなりました。お勘定となり、ここで新たな試みがあるとご紹介いただいたのが、顔認証システムです。ここ「美乃鮨」さんは、ミシュランにも選ばれたお店です。森市長がお店のタブレットにお顔を近づけますと、それでお勘定が済むという、誠に先進的な仕組みが導入されていました。コロナの影響もあり、これは便利で安全な仕組みであると感心しきりでした。謝辞を申し上げ、お店の玄関で記念写真を撮らせて頂きました。


一旦、ホテルに戻り、コロナ規制も解除されましたので、町田敏章専務理事と、もう一軒行こうということになり、着替えてから冨山駅前まで参り、静かなお店を選びました。反省会と明日の打合せをしておりますと、誕生日の方がいらっしゃって、丁度、小職と町田専務理事も二人の誕生日が近かったことを告げますと、皆さんで祝いましょうという流れとなり、シャンパンを一杯、振舞って頂くという幸運に恵まれました。
人情に厚い富山県人のお心づかいに感謝した富山出張の夜となりました。