トヨタ来学による産官学の推進


地方創生の在り方や地方財政の健全化が課題となるなかで、2012年12月に発生した山梨県大月市笹子町にある中央高速道路笹子トンネルの天井版落下事故や、2014年10月に発生した福岡県福岡市博多区道路陥没事故など、地方自治体の道路や橋梁の老朽化やメンテナンスにまつわる有効施策の検討とコストの問題は重要な課題となっています。

こうしたなか、6月3日、「産」はトヨタ自動車とトヨタモビリティ基金、「官」からは赤磐市、「学」からは岡山大学とした産官学が揃い、このテーマについて意見交換会を開催しました。会場は岡山大学です。

さて、赤磐市は、平成17年3月7日、赤磐郡内の山陽町、赤坂町、熊山町及び吉井町が合併して誕生した岡山市に隣接する自治体で、豊かな自然や文化遺産に恵まれる一方で、交通網の発達など都市的な環境整備も課題となっています。人口は45,646人(2019年3月7日現在)、総面積209.36平方キロメートル、「人“いきいき”まち“きらり”」をキャッチフレーズに、活力と個性あふれる、新たなまちづくりを目指しています。この日は、岡山大学の卒業生でもあり工学博士である、友實武則(ともざねたけのり)市長自らが来学され、市民代表としての役割を存分に果たされました。

まず、槇野博史学長を学長室へ表敬訪問され大学との連携について意見交換がなされました。また、会議では、トヨタ自動車からの問題提起、話題提供を受けて、道路や橋梁の老朽化とメンテナンスの必要性について、専門性と長年の経験に裏付けられた筋の通った持論をご披露されました。

岡山大学側も、高橋香代理事はじめ副学長、工学部長、環境理工学部長、専門領域の学科長はじめ多くの教員が参加、熱のこもった率直な意見交換、情報交換の会となりました。


こうした取り組みは、大学改革の一環としての位置づけでもあり、今年度新たに発足した「国際学都おかやま創生本部」としての活動と使命を担っています。

夜は、トヨタ側と今後の進め方について意見交換の会を持ちました。

梶谷俊介岡山トヨタ社長も合流されて、今後の市民の皆様に寄り添うこと、社会に貢献できることをテーマにした販売店との連携についても具体的な方向性を検討いたしました。

地域総合研究センターは、こうした産官学連携の推進コーディネーター役として、引き続き汗をかいてまいります。