被災地支援学生ボランティア活動

岡山県にける被害概要

平成 30 年の台風第7号及び前線による大雨について、「平成 30 年 7 月豪雨」と名称を定めました(7/9 14:00)。

岡山県の人的、物的被害状況は、人的被害では、死者61人、行方不明者3人、負傷者2人、重傷5人、軽傷48人、住家被害では、全壊120棟、半壊28棟、一部破損41棟、床上浸水5,160棟、床下浸水6,110棟となっています。

また、岡山県内の死亡者は、笠岡市では土砂災害で40歳代男性、50歳代男性が死亡 3 、笠岡市で男性が死亡、井原市で土砂崩れにより40歳代女性が死亡、井原市で1名死亡、総社市で80歳代男性が死亡、総社市で60歳代男性が2名死亡、総社市で1名死亡、倉敷市で男性18名、女性27名の計45名が死亡、倉敷市で70歳代男性が死亡となっています(消防庁情報:平成 30 年 7 月 16 日 13:45 現在)。

学生ボランティア活動
①被災地支援活動

学生による学都チャレンジ活動を続けている学生サークル2団体が連携して、被災地支援ボランティア活動に参加しました。そのひとつが、おかやま地域発展協議体おかやまスポーツプロモーション研究会(SPOC)に参加し、岡山のスポーツまちづくりについて学ぶ学生たちです。彼らは、参加者の方と交流することで自分たちの活動をより、岡山のまちづくりの現状に沿った現実的なものにするために奉還町商店街において、岡山シーガルズやファジアーノ岡山のホームゲームに合わせた企画などを進めている「岡山プロスポーツ文化まちづくりサークルSCoP」です。そして、もうひとつの学生サークルが、瀬戸内市裳掛地区で耕作放棄地対策や子供たちの見守り、移住定住の促進活動などを展開している「岡山大学まちづくり研究会」です。

彼らは、7月11日に開催された岡山大学『学生災害ボランティア活動説明会』に参加したあと関係者でミーティングを開催しました。そこで、自分たちも何か具体的な支援活動を行えないか話し合い、今回の平成 30 年 7 月豪雨で、岡山市東区東平島地区は河川の決壊により甚大な被害を被ったことを知りました。この地区にある平島団地内の一画に事務所を構える岡山シーガルズも床上浸水となり大きな被害を受けました。女子プロバレーボールチームである岡山シーガルズは、岡山県民に支えられながら活動する市民チームであり、ここ平島団地の多くの皆さんからも支援を受けています。こうした状況のなかで、「岡山プロスポーツ文化まちづくりサークルSCoP」の学生たちは、日頃、岡山シーガルズがお世話になっている平島団地への支援ボランティアに入ることを決め、友好団体である「岡山大学まちづくり研究会」にも声をかけ、具体的な活動について計画をたてました。また、7月16日のファジアーノ岡山の公式戦に合わせて、活動拠点の奉還町商店街の入り口で街頭募金を実施することを決定、準備に入りました。

7月13日には、岡山県社会福祉協議会にて参加学生全員がボランティア保険への加入手続きを済ませました。また、同日、平島団地の町内会長さんに、7月16日9時30分から8名の学生がボランティア活動に参加することを伝え、会長さんから岡山市の災害ボランティアセンターに伝えて頂く手続きをとりました。

7月16日(月)、8時30分に地域総合研究センターに集合した。顧問の小職からボランティア活動の諸注意を説明してから2台の車で現地へ向かいました。

渋滞なく岡山シーガルズの事務所に到着、荷物を置いてからボランティアの活動拠点である平島団地公民館で受付を済ませました。担当は復旧半ばで拠点となっている平島団地公民館の復旧であります。室内は大部屋が二つあり、床に汚泥が積り、壁も浸水した位置まで泥が付着、すでにカビが発生している状態で、さらにトイレや厨房など小部屋の奥まで泥が流れ込み固まっていました。室内から泥をかき出し、消毒液を入れたバケツに新聞紙を丸めて浸してから部屋にまき、新聞紙ごと掃除をしてから水拭きして、最後に消毒液を散布しました。

また、備品の椅子も泥だらけであり、外へ運び出し洗浄して干す作業や、公民館の庭のベンチや花壇に付着した汚泥の洗浄作業を実施しました。

こうして、若い力の結集により、公民館の清掃にめどが立ったため、最後は岡山シーガルズ事務所周辺の側溝に堆積した泥をかき出す作業を手伝いました。

屋外での作業は36度と熱中症の恐れが指摘されており、屋内ですら風通しが良いとは言えない環境で消毒液を散布する作業などがあったため、幾度となく休憩時間をとりながら、併せて水分補給に十分に気を配りながらの作業となりました。ただ、公民館でボランティアスタッフの世話をする町内会の役員さんの冷えた飲料水やきれいな氷、そして冷やしたキュウリの差し入れなど、手厚い心使いに学生たちの心は和みました。また、昼休みは岡山シーガルズの事務所で休息をとらせて頂き、スイカをごちそうになりました。さらに事務所は合宿所にもなっている関係で、お風呂でシャワーをお借りすることができた点は、通常のボランティアの皆さんに比べ恵まれています。


こうして、岡山市東区平島団地地区における学生ボランティア活動は、9時30分開始、15時あがりで、けがや熱中症も無く無事に終了、平島町内会の皆さんや岡山シーガルズの皆さんに挨拶をして帰路に就きました。

②街頭募金活動

一旦、地域総合研究センターに戻り、さら有志の学生が奉還町にて、災害支援募金の街頭活動を、16時30分から18時30分の2時間実施しました。事前に届けを提出した奉還町商店街組合の岸卓志理事長も顔を出してくれ、道行く人にも声をかけてくださいました。また、冷えた飲料水の差し入れを頂きました。募金協力人数は、延べ164人、募金総額は23,014円の結果です。

学生たちは、今回の活動の振り返りや今後の活動方針、さらに集めた募金の届け先などについて、明日以降、協議します。

さて、岡山県は、台風直撃無し、大雪も無し、地震も活断層が極めて少ない、原発も遠い、ゆえに防災意識が全国で一番ひくい県だと言われています。

この度の大水害で岡山県民の絆が試されています。

いま必要なことは、現地に入る活動、救援物資を届ける活動、募金活動、自宅から出来る活動、いろいろな復旧支援活動があります。

一方で、理屈や評論をする方々も、それは自由ですが、岡山県民には、熊沢蕃山、山田方谷先生が唱え実践した『知行合一』の教えがあります。

いまできる支援活動は、小さくとも、何か出来る活動を行うことが大切であると思うのであります。