自然を満喫する「森林セラピー」を核とした観光地として人気が高まっている安芸太田町を訪れました。
まず、最近の話題は「平成27年2月に発刊されたフランスの権威ある旅行専門誌「ブルーガイド」で「三段峡」が世界遺産の宮島や原爆ドームに続き、最高格付け『三ツ星』を獲得しました。」ことです。こうした外部機関の評価を得ることは、地方創生を目指すうえで、とても重要なファクターであると思います。
三ツ星を獲得するためには、地域の自治体はじめ関係者の皆さんが、計り知れぬ多大な努力をされたことと拝察します。実際に案内所へ行くと、担当の方が、さり気に傍に来られて、丁寧にエリアの紹介や諸注意をしてくださいました。見知らぬ人への「おもてなし」です。ご夫婦で営んでおられる宿へ一泊させていただきましたが、女将さんの口数少ないなかにも、細かな点まで行き届いた心配りに感激しました。つまり、「また来たい」そう思わせるもてなしです。
また、旦那さんの手による夕食は、地物の山菜や岩魚など都市の生活では味わえない、そして高級旅館や大規模ホテルでは真似のできない家族的な心配りが「森林セラピー」ならぬ「心のセラピー」とでも申す癒しの時間を提供してくれました。昔ながらの日本のもてなしです。
さて、朝食を済ませて、さっそく三段峡の散策へと向かいました。所々、風水害で傷んだ箇所もありましたが、遊歩道が整備され、大田川の最上流域の景観は見事です。新緑に包まれた広葉樹の林、そして河岸は清流を彩る山ツツジで満開です。途中に幾重にも流れ落ちる見事な滝あり、一方、赤く染まった小さな滝あり、そして深く碧い淵あり、巨大な石場あり、岩をくり貫いた洞門のような山道ありと、訪れたものを飽きさせない感動のスポットが続きます。
そして歩みを進めた先に船着場が見えてきます。そこで船に乗り巨岩そびえる渓谷の風情を楽しみながら、ゆっくりと船は進みます。船頭さんの講釈も興味深く、この見事な景観を風水害から守るために、何十年に渡り、たゆまぬ努力を積み重ねてきたことを知ることができました。船の終点には、昔はランプの宿であったという古い建物があり、お茶を頂き一服させていただきました。ここは、未だ中国電力が入っていなく、ソーラーパネルを用いて営業をしているそうです。
森林に抱かれ自然に癒され、そして、そこを守る人たちから、温かいもてなしを受け、感動と同時に、まちづくりへの大きなヒントを頂くことができました。
三段峡にて
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