1月27日、東京千代田区神田駿河台にある、労働金庫会館で、今後の勤労者自主福祉金融の方向性を考える意見交換を兼ねた勉強会が開催されました。そこで、日ごろの研究成果を踏まえて、話題提供をさせて頂きました。
バブル経済崩壊以降、わが国経済は厳しい状況が続き、働く人たちの生活も「生活防衛」にウエイトを置かざるを得ない毎日が続いています。今後、労働金庫が、地域格差や所得格差の拡大、非正規雇用労働者問題、少子高齢社会の進行にまで視野を広げて経営のあり方を考えるなら、単に金利の幅や貸出金額の多寡だけでは論じきれない段階に入っていると言えましょう。アベノミクスに託された期待は高いものの、状況は未だ課題を包摂しており、景気回復には、いましばらく時間がかかりそうです。
業績回復が見込みにくい地域で働く人たちの所得は伸び悩んでいます。同時に、個人生活を窮乏化から救い、「生活応援」という観点から上手に資金を供給・手当てする手段としてのリテール金融の大切さが増しているといえます。全国から勤労者自主福祉金融の普及を推進されている責任者の方が集われ、それぞれの地域特性に合った活動が、積極的に展開されていることを学びました。また、同時に、日本社会や経済が多くの課題を抱える中で、いかにして働く人たちやリタイアした人たちの暮らしを守るかについて、熱い議論が交わされました。
午後いっぱい開催された会が終了後に、会場を御茶ノ水駅前に移して、懇親会を兼ねて、もう一段、深く突っ込んだ意見交換がなされました。自分自身の次の研究テーマを決める上でも、とても重要な機会でありました。高層ビルから眺める夜景は美しく、とりわけ明治大学のリバティータワーが印象的でした。最終の新幹線で岡山へ帰りましたが、熱い議論を終えホット疲れが出て、車中は熟睡でありました。