イオンモール岡山オープンに寄せて

イオンモール岡山
11月28日、いよいよ岡山駅前にオープンするイオンモール岡山。12月5日のグランドオープンに先駆けて、関係者を集めた内覧会が開催されました。そして、本日はテレビ局の取材に応じてイオンモール岡山へ行ってまいりました。今回の開業については、これまで岡山商工会議所から「イオンモール岡山出店協議会」のアドバイザーを拝命して、これまで6回にわたる協議を重ねて参りました。
まず、オープンに至るこれまでの経緯を簡単にご紹介しますと、2012年1月にイオンは林原の会社更生計画案決定を受け土地取得、同4月にイオンモール「岡山推進事業部」を設置、同12月には岡山市から提案された岡山市コンベンション施設整備要請を非諾しました。2013年4月からイオンモール岡山の本体工事着工、施設概要が発表されています。さらに同5月には国土交通省より民間都市再生事業に指定され、同10月に岡山市へ大規模小売店舗立地法に基づき届出、そして、2014年8月に店舗の詳細を発表しています。
イオンモール岡山

イオンモール岡山
その概要は、「都市型大規模モール」として、その構造は地下2階・地上8階、大小350を超える専門店が出店し、イオンモールの「西日本旗艦店」として位置づけ、年間2000万人の集客を見込むと発表して、岡山県民を驚かせました。そこでの開発コンセプトは「おかやま未来スタイル創造特区」で、1階~4階は「”モノ”体験」フロア、5階~7階は「”コト”表現」として岡山放送が移転、さらに600席の近代的な装備を備えたホールとシネマコンプレックスが入ることになりました。そして今回のオープンに合わせ、モールコンセプトを晴れの国岡山にちなみ「ハレマチ(haremachi)」と名づけています。
こうして、2014年12月5日にグランドオープンするイオンモール岡山(以下、イオンと言う)は、岡山市や県内経済はもとより中四国の広域エリアへ様々な影響を与えています。これまでの経済波及効果をみると、施設建設や周辺エリアの開発、本体による新事業のスタートに伴う、県内企業との新たな取引が創出された結果、有効求人倍率は全国屈指のレベルとなり、イオンを起点とした波及効果が地域経済を広く底上げしています。ただ、高い時給や託児所の設置など好条件の雇用により、様々な職場で従業員の転職・移動が始まっており、労働力不足による生産活動やサービス活動の低下を余儀なくされる企業や団体も出ています。岡山全体としては、今後、こうした労働環境の跛行性に注視する必要がありましょう。
また、地域経済に深くかかわりを持つ地価については、岡山駅前周辺は上昇傾向を示す一方で、イオン進出に関係なく、後継者難や事業不振によりシャッターが降りた商店街周辺の地価の低迷は、これまでも問題となっています。これは交通網の発達とモータリゼーションの進展による生活圏の拡大、グローバル化や情報化社会がもたらす生活スタイルの変化による地域コミュニティや住民行動の変容にかかわりがあると言えます。
イオンモール岡山

イオンモール岡山
こうしたなかでの西日本の「旗艦店」と位置づけられ、年間2000万人の集約を見込むといわれるイオン進出を契機に、商店街や専門店の活性化、更には2014年度に岡山市が政策パッケージとして掲げている「まちなか居住」のような新たなビジネス施策を真剣に講じなければ、ますます地価上昇エリアと下降エリアの格差が広がるリスクが懸念されます。さらに建設業や不動産業では、被災地復興やオリンピックの影響で資材の高騰、作業員・職人不足が指摘されるなか、2014年12月の時点ではイオン開業効果と岡山市内で進む大型病院の建設・リニューアルにより活況を呈していますが、こうした経済を活性化させている流れが一服した以降の関係分野での企業行動を見通す際には慎重さが求められることとなりましょう。
今後は、イオンの集客による新たな生活者の動きが活性化することによる地域経済全体への波及効果が、中心市街地へも次の需要を呼び込み、岡山市の1キロスクエアを中心とした経済エリアにおいて、商店街と専門店、西川緑道界隈と後楽園・岡山城などカルチャーゾーンの活性化、さらに新たな起業やマンション建設などの持続的なビジネスを喚起し、景気が腰折れするリスクを回避できるようステージアップされることを期待したいものです。そのためにも、事業的には、イオンとは異なる歴史や文化、新たなコンセプト、個性的な商品サービスなど「まちなかの面白さ」を創出し、岡山市を訪れた人たちが、イオンにも西川緑道公園界隈やカルチャーゾーン、そして、商店街・専門店にも魅力を感じ、その相乗効果によりまち全体に回遊性が生まれるよう演出する努力をすることが大切であると考えます。
岡山大学地域総合研究センターとしては、岡山市、経済界、まちづくりNPO、交通事業者、マスコミ、そして国や県ともできる限り連携しながら、各種の調査や学生たちによるまちづくり活動を展開して参りたいと考えています。
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