第4回「豊田市まちづくり懸賞エッセイ」2010 表彰式を開催

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「豊田市まちづくり懸賞エッセイ」事業は、愛知学泉大学コミュニティ政策学部と特定非営利活動法人ITSプラットフォーム21の主催で取り組み4年目を迎えることができました。小職は、第1回目からこの「豊田市まちづくり懸賞エッセイ」の企画・運営事務局の責任者となっています。この取り組みは、大学やNPOという第3者(客観性)の立場から、市民の皆さんの声を広聴し、また、行政の施策を市民に広報する(広報・広聴活動)ことを通じて、もって、豊田市のまちづくりに市民の声を反映していくことを目的としています。

そのために、豊田市の諸団体にご協力を仰ぐことからはじめました。そして、後援は、豊田市、豊田市教育委員会、豊田商工会議所、トヨタ自動車、豊田信用金庫、豊田都市交通研究所、中日新聞社、中部経済新聞社、ひまわりネットワーク、エフエムとよた、とよたエコドライブプロジェクト実行委員会、あいちエコモビリティライフ推進協議会、豊田スタジアムという豊田市の中核をなす団体を廻って、ご理解とご支援をいただきました。豊田市役所には市報での広報や交流館(公民館)へのチラシの配布、教育委員会には校長会を通じた市内小中学校への応募の呼びかけ、トヨタ自動車には教育機関であるトヨタ工業学園での取り組み始動、そして中日新聞をはじめとするマスコミの紙面や地元ケーブルテレビやラジオでの広報など、関係各位のご理解により、地域の団体の協力を総合的に得る手法をとらせていただきました。さらに企画・広報面での協力は、豊田市自然観察の森、豊田市矢作川研究所、豊田市環境学習施設エコット、とよたエコライフ倶楽部省エネ共和国、豊田市商店街連盟に頂き、企画会議にご参加いただきました。

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この進め方は、最近、話題となっている『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』(岩崎夏海著)に代表されるピーター・ドラッカー、さらにはマーケティング戦略の大家であるフィリップ・コトラーなどの手法を、社会広報(ソーシャルマーケティング)に応用展開しようとしたものです。
ちなみに2011年度から小職の所属いたします愛知学泉大学は組織改革を行い、現在のコミュニティ政策学部から現代マネジメント学部に改組いたします。そこでは、新カリキュラムとして「ソーシャルマーケティング」の講義を担当することになっています。小職の専門分野は「金融論(地域金融・協同組織金融)」ですが、金融論の研究を進める過程で、バブル経済の崩壊やリーマンショックによる長引く景気の低迷を受け、金融機関の公共性やCSR(社会的責任)が改めて広く社会全体や市民から問われるなかで、また、コミュニティ政策学という「まちづくり」をテーマにした学部で職を得たことにより、クルマのまち豊田市で「交通環境の改善」を視座にした市民活動への参画の機会をいただいたことにより、この「ソーシャルマーケティング」という新しい研究領域にも関心を寄せることとなりました。

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さて、4回目になります今回の取り組みでは、豊田市が内閣府から「環境モデル都市」の指定を受け、その活動の一環として力を入れているエコドライブプロジェクトを大学やNPOの立場から支援する狙いで、”環境” をテーマに5つの部門を設定し、その1番目のテーマを特別テーマとして「みんなのエコドライブ」と位置付け、活動を展開しました。

その結果、応募総数は、昨年の1005通を大幅にうわまわる1683通に達しました。豊田市の人口が42万であることを考えますと、市民の声を代表するには十分な応募件数であると思います。

その応募の内訳を部門別にみますと、小学生が309通、中学生が902通、高校生が227通、大学生を含む一般が245通でした。また、テーマ別では、【特別テーマ】に設定した.「1.みんなのエコドライブ」が306通、「2.夢の未来都市”私のとよた」が402通、「3.かしこくて楽しいモビリティ(交通)活用術」が89通、「4.私流エコライフ・エコスタイル」が458通、「5.守り活かそう “とよたの自然” 」が428通でした。

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 ▲ 表彰式
われわれ審査委員の合議による厳正なる審査の結果、最優秀賞5点、優秀賞9点、佳作60点(家族賞を含む)の合計74点が入選となりました。さらに、組織で取り組んで頂いた成果を称える「学校賞」には、堤小学校、中山小学校、寺部小学校、寿恵野小学校、西広瀬小学校、逢妻中学校、益富中学校、足助中学校、豊田北高等学校、松平高等学校、トヨタ工業学園さんが、「企業賞」には(株)協豊製作所、トヨタすまいるライフ(株)、シロキ工業(株)さんが選ばれました。

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こうして選ばれた皆さんの栄誉を称えるために、表彰式が、2011年3月5日(土)豊田市民会館大会議室で開催されました。この表彰式に向けて、その前の3日間、小職のゼミの学生達7名と本学研究所のスタッフ、そして共催するNPOの皆さん総出により準備作業を行いました。

当日は、司会を小職と同僚の村林聖子コミュニティ政策学部准教授の両名が務めました。冒頭、鈴木公平豊田市長をお招きして受賞者全員による記念撮影が行われ、続いて、主催者挨拶として、NPO法人 ITSプラットフォーム21河野安宣理事長、来賓挨拶として鈴木公平豊田市長から祝辞を頂きました。そして、講評を山崎丈夫コミュニティ政策学部教授(審査委員長)と小島文毅NPO法人ITSプラットフォーム21専務理事(審査副委員長)が行い、表彰状授与を寺部曉、学校法人安城学園愛知学泉大学 理事長が行い、1時間の表彰式が無事に終了しました。

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因みに、同日、同会場では「豊田市市政60周年記念式典」が開催され、大村秀章愛知県知事や豊田章男トヨタ自動車社長らが来賓として挨拶されるなか、豊田市よりこうしたエッセイ活動など、こうした本学の地域コミュニティへの貢献が評価され若林努学長が表彰を受けました。

こうして環境というテーマで、あらためて豊田市のまちの現状と課題を考える機会となりました。今回の取り組みは、大変意義の深いものであったと思います。現在、地域で展開されているさまざまなまちづくり活動を発展させていくためにも、各位の一層の地域参加とご努力を心から期待します。また、環境保全を私たちの生活の価値として認め合い、豊田市のまちづくりの未来を切り開いていくために、共働(協働)の取り組みを強化していきたいと考えています。

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準備から、会場の設営、後片付けまで、学生達の大活躍に支えられた「まちづくり」イベントでした。「受賞者名簿・受賞作品」ならびに、ご参考までに「審査員名簿」、「募集チラシ」、そして拙いながら小職が分析を・コメントを行いました「エッセイに寄せられた声に学ぶ “環境都市とよた” の未来像」などを「豊田市まちづくり懸賞エッセイ(三村聡研究室)」に掲載していますので、お時間のある方は、ぜひご覧くださいませ。