SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)とは、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標です。持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)ことを誓っています。SDGsは発展途上国のみならず、先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり、日本としても積極的に取り組んでいます。
12月5日、「SDGsの達成に向けたRCE第一回世界会議」が、岡山コンベンションセンターにて開催されました。なお、RCE(Regional Centres of Expertise on ESD)とはESD(Education for Sustainable Development: 持続可能な開発のための教育)の地域の拠点の意味です。岡山市域は世界の他の6地域とともに世界初のRCEに認定されました。シンポジウムでは、まず主催者として、岡山大学から岡山ESD推進協議会会長の阿部宏史教授と槇野博史学長、そして国連大学サステナビリティ高等研究所の竹本和彦所長、さらに岡山市の大森雅夫市長が挨拶、続いて来賓挨拶として環境省小林正明顧問(前環境事務次官)が登壇しました。
講演では、「RCEネットワークの動向について」と題して、国連大学サステナビリティ高等研究所ESDプロジェクトプロジェクトの塚本直也ディレクターが丁寧な説明をしてくださいました。
全体会合1では、「SDGsをふまえたESDの更なる展開」をテーマにパネルディスカッションが始まりました。モデレーターを岡山ESD推進協議会委員の大安喜一岡山大学教授がつとめ、パネリストは、阿部宏史会長・教授、瀬戸町観光文化協会小林一郎アユモドキを守る会会長、RCE サスカチュワンのAdela Kincaid氏、おかやまエネルギーの未来を考える会の廣本悦子会長、RCEデンマークのDavid Rangan氏、イオントップバリュ株式会社の有本幸泰氏、RCEカイロのHani Sewilam氏が登壇され、具体的な取組みを紹介、その示唆に富んだ内容に会場から惜しみない拍手がおくられました。
全体会合2では、「岡山からSDGsを考える-更なる産学連携の展開へ-」と題して、セッション全体の進行役を岡山大学神崎浩理事・副学長(国際担当)がつとめ、講演を槇野博史学長、経団連企業行動憲章改定TF座長・CSR室 シニア アドバイザーの関正雄氏(損害保険ジャパン日本興亜株式会社)、一般社団法人岡山経済同友会の松田久代表幹事がSDGsへ寄せる期待をそれぞれ語りました。
最後のセッションでは、「SDGsにかかる産学連携プロジェクトの主な事例」報告として、岡山大学から那須保友大学院医歯薬学総合研究科長・教授、冨田栄二工学部長・教授、仁科勇太異分野融合先端研究コア准教授が話題提供して閉会しました。今回のシンポジウムをきっかけに、地域総合研究センターでは、今後、この目標を念頭に置いた具体的な地域での活動を展開して参りたいと思います。