地域モビリティをどう確保するか

-地方創生に向けた公共交通を含む諸方策の新たな総合的展開-

六本木にある政策研究大学院大学にて、8月9日、地域公共交通総合研究所が主催する同研究所第5回目となるモビリティシンポジウムが開催されました。わが国を代表するモビリティ分野の識者が一堂に会し、最新の情報に基づく将来予測や具体的な政策論議など、熱い議論が交わされました。

プログラムは、政策研究大学院大学の家田仁教授(地域公共交通総合研究所理事)が開会挨拶に立たれ、PART1「モビリティ確保方策の質的転換を目指して〜社会・システム・技術の新たな展開〜」では、まず、日本カーシェアリング協会の吉澤武彦代表理事が「共助のコンセプトで地域モビリティを確保する 〜石巻発カーシェアリング・ライドシェアリングの取り組み〜」、長岡技術科学大学環境社会基盤工学専攻の鳩山紀一郎特任准教授が「三陸被災地域における地域モビリティ再生の様々な試み 〜その明暗〜」、東洋大学国際地域学科の岡村敏之教授が「自助・共助と地域公共交通事業のはざまを探る」、の演題で講演され、これら3テーマの総合質疑がありました。

続いて、東京大学社会基盤学専攻の羽藤英二教授が「モビリティの未来:自動運転とシェアリング 〜技術的期待と限界性〜」、早稲田大学研究院次世代自動車研究機構の大聖泰弘特任研究教授が「クリーン・モビリティの将来性」の演題でモビリティの未来像を提起されました。また、総合質疑がなされました。

PART2の鼎談「地域公共交通経営の改善方策〜制度と経営の多様なアプローチ〜」では、座長を家田仁教授が担当され、国土交通省鉄道局藤井 直樹氏局長(前自動車局長)、株式会社みちのりホールディングス松本 順代表取締役、一般財団法人地域公共交通総合研究所小嶋光信代表理事がパネリストとして登壇、小嶋 光信代表理事の閉会挨拶で盛会のうちに、今回のシンポジウムは終了いたしました。

特に、話題提供では東京大学の羽藤英二教授、鼎談では、進行役の家田仁政策研究大学院教授の卓越した進め方に大いに学ばせて頂きました。

シンポジウム終了後、会場を移動、東京大学の鎌田実教授の乾杯ではじまった懇親会も盛会でした。交通事業者の方はもとより、国や企業、学識経験者、シンクタンクなど幅広い皆様と意見交換をさせて頂きました。