9月7日、東京一極集中等を背景に地方の地盤沈下が叫ばれて久しく、岡山市でも同様に中心市街地の活性化が一つの課題であると認識しています。加えて、人口減少や超高齢化社会の到来により、今後はさらに国の財政制約が厳しくなることが予想されます。そうした状況を勘案すれば、岡山のまちを変えていくのは、地方創生が掲げられている今が最後のチャンスとなる可能性があります。
この研究会規約では、第2条で、設立の目的を「第2条 本会は産官学及び市民団体の連携によって、都市交通及びこれに関連する各種の問題に関し、行政の方向性を考慮しつつ、学際的かつ業際的研究をはかり、都市交通ならびに地域の魅力や環境の向上に資することを目的とする。」と定め、岡山市はじめ産学官と交通事業者、関係団体の皆様方とともに、岡山市のまちづくり施策の効果を一層高めていくことを目標に、中心市街地活性化には欠かせない公共交通を中心とした「移動の足」の充実を柱に据え、まちづくりの諸課題について解決の方策を検討します。
メンバーは、岡山経済同友会、岡山商工会議所、岡山商工会議所青年部、岡山青年会議所、岡山県バス協会、岡山県タクシー協会、日本自動車連盟岡山支部、岡山県レンタカー協会、西日本旅客鉄道(株)岡山支社、宇野自動車(株)、両備ホールディングス(株)、岡山電気軌道(株)、下津井電鉄(株)、八晃運輸(株)、国土交通省岡山国道事務所、岡山市都市整備局、岡山市政策局、山陽新聞社論説委員会、岡山大学、オブザーバーとして、岡山県県民生活部県民生活交通課、NPO法人まちづくり推進機構岡山、みんなでつくる財団おかやま、NPO法人みんなの集落研究所、トヨタ自動車(株)、岡山大学教員などで構成されています。会長に岡山大学の荒木勝社会貢献担当理事・副学長が、副会長を経済界から岡山経済同友会の松田久代表幹事と自治体から岡山市都市整備局の山﨑康司局長が就任しました。
また、顧問には、岡山大学からは阿部宏史理事・副学長、外部から筑波大学大学院システム情報工学研究科の石田東生教授、東京大学大学院新領域創成科学研究科の鎌田実教授、熊本大学大学院自然科学研究科の溝上章志教授にご就任頂きました。
さらに、この研究会には次の分科会を設けました。①「まちと公共交通を考える」分科会:岡山市中心部の理想的に道路空間とともに、市中心部に乗り入れる公共交通の利用促進を起点とした賑わいある街を創出するための施策を検討する、②「移動の多様性を考える」分科会:岡山市のコミュニティサイクル「ももちゃり」、環境に優しく単距離移動に適した超小型電気自動車のより有効的な活用の方策を研究する、③「中山間地域の交通を考える」分科会:高齢者医療福祉や若者の中山間地域離れの観点から中山間エリアにおける交通問題をテーマに、その解決策を検討する。事務局は、岡山大学地域総合研究センターのメンバーが担当します。
第1回の研究会では、荒木勝社会貢献担当理事・副学長が設立の趣旨説明を行い、小職が規約案とメンバー案、活動内容を説明し了承されました。次に会長、副会長が選任され、さらに、分科会の委員長も、「まちと公共交通を考える」分科会委員長には、岡山商工会議所都市交通委員会の若林昭吾委員長が、「移動の多様性を考える」分科会委員長には、岡山経済同友会地域振興委員会の梶谷俊介委員長が、そして「中山間地域の交通を考える」分科会委員長には小職が就任いたしました。
次に、小職から、準備資料に基づく説明と話題提供をさせて頂き、それを受けて参加者全員から、これまでの岡山市での都市交通施策の取り組みに関する歴史や反省点、さらに今後に向けた意見や抱負が語られ、会は終了いたしました。
岡山大学としては、大学が地域資源として「学都」構想実現に向けた具体的なアクションです。今後の展開にご期待ください。