第11回おかやまローカルアソシエイトin瀬戸内

おかやまローカルアソシエイト(通称OLa)は、平成24年9月1日に岡山県を中心とした「産・学・官・民・農」の広範的なネットワークの形成による活発な交流を促し、産業の発展および農業の振興を図るとともに、地域経済の活性化に寄与することを目的に発足した組織です。6月17日12:00~19:30、国立療養所長島愛生園の愛生会館(国立ハンセン病療養所:岡山県瀬戸内市邑久町虫明6539番地)を会場に第11回おかやまローカルアソシエイトin瀬戸内が開催されました。今回のメインテーマは「地域団結」、長島愛生園で若者が集い未来を語る会として多くの企業経営者、経済団体、国からは経済産業省や中小企業庁、岡山県や瀬戸内市など自治体、大学生や高校生、NPOや市民団体、農業経営者、地元の皆さんなど、幅広に集いました。

会場が瀬戸内市邑久町虫明にある国立療養所長島となったため、邑久町虫明(裳掛)で地域活動を続けている「岡山大学まちづくり研究会」の活動が認められ、メンバー4名(報告者:正岡志織さん、谷田麻緒さん)が参加、顧問として小職が運転手兼引率として参加しました。朝10時に大学へ集合、瀬戸内ブルーラインを、一路、虫明インターをめざしました。インターを降りたすぐのコンビニで昼食を買い、長島愛生園へ正午に到着、歴史館の前に設営された受付で手続きを済ませて、全体会の会場となった愛生会館へ移動、報告者の正岡志織さん、谷田麻緒さんが、さっそく壇上でリハーサルを始めました。岡山大学は、全国に先駆け4学期制を導入しているため、丁度、試験期間と重なり、限られた時間のなかですが、彼女ら二人は何度もプレゼン資料を書き直し、また相当に発表練習を積みましたので安心して見ていられました。何点か指摘して、最後の微調整を行ってもらいました。

さて、大会に先立ち、主催地である長島愛生園の入所者代表から、ハンセン病の差別と入所者の苦労を重ねた歴史を教訓に、偏見差別のない社会の実現を目指そうとする貴重な講話を頂きました。全体会では、冒頭で主催者や来賓から挨拶や祝辞がありました。続いて基調講演では中小企業庁吉野恭司次長より「最近の中小企業・小規模事業者政策について」と題して、①中小企業・小規模事業者の現状、②中小企業施策における最近の重点的な取組、③小規模事業者施策、について豊富なデータや国の政策方針、中小企業・小規模事業者の先進的な取組が紹介されました。

次に、学生2名が活動報告を行いました。報告テーマは「地域が学生を育て、学生が地域を元気にする」と題した活動の紹介です。少子高齢化や人口減少が進む裳掛地区において、地元の裳掛小学校の生徒も減少傾向にあります。それを食い止める一助になろうと、週1回放課後の「寺子屋」活動の支援や子供たちの見守り、運動会への参加、空き家の再生による小さな拠点作りと活動、耕作放棄地対策(収穫物の大学祭での販売による地元PR)、地元の「どんど祭り」への参加、移住定住者の裳掛地区への誘致活動支援、地域住民の皆さんとの交流イベントの企画運営、情報誌「まちけん通信」の発行などの社会連携活動を展開しています。精一杯、思いを込めた報告でした。同研究会は、2013年12月、岡山大学地域総合研究センターが創設した学生企画活動に伴い設立され、裳掛地区での活動は5年目を迎えています。現在、8学部1コースの総勢43名の学生(1年生19名、2年生11名、3年生9名、4年生4名)で構成されています。

今回のおかやまローカルアソシエイトin瀬戸内へは、来賓や顧問として、元経済産業副大臣はじめとする国会議員6名、中小企業庁次長、経済産業省中国経済産業局長、長島愛生園長、瀬戸内市長、就実大学副学長、岡山県産業振興財団理事長、岡山県商工会議所連合会専務理事、岡山経済同友会地域振興委員長など、そうそうたる顔ぶれが参加されました。そして、なんと言っても嬉しかったのは、学生たちの応援に、地元の裳掛地区コミュニティ会議から会長はじめ大勢の地域の皆さんが駆けつけてくれたことです。

報告終了後に学生たちは、経済産業省や岡山県、経済団体などから質問・意見交換を求められ、日頃の活動への思いと地域の皆さんへの感謝の気持ちを伝えていました。また、夕方からの懇親交流会でも国会議員や経済界、瀬戸内市長などと意見交換をさせて頂くことができました。学生たちは、今回の経験を積ませて頂いたことで大きく飛躍を遂げることができたと確信しています。瀬戸内海に浮かぶ長島を包む夕日がひときわ美しく感じられました。

お声掛けを頂いた布野浩子瀬戸内市議(本大会副実行委員長)や、応援に駆けつけて頂いた服部靖裳掛地区コミュニティ会議会長はじめ地域の皆様に心より深く感謝いたします。