6月12日、久しぶりに高松の屋島へ参りました。まず、さぬきうどんの名店のひとつ「中西」で、腹ごしらえをしました。お昼前でしたが店内は常連さんで混んでいます。さぬきうどんの特徴であるコシの強い手打ち麺の喉越しは抜群です。するするとあっという間におなかに収まりました。乗せの天ぷらの種類も多く、柔らかそうなさつま揚げ(四国では天ぷらといいます)とインゲンの天ぷらを選びました。ねぎとテンカス、すり胡麻と生姜はお好みでかけられます。大満足です。
さて、屋島展望台から高松市内が一望できます。高松市から沖合約4キロに女木島が見えます。観光協会ガイドによれば、源平合戦で那須与一が射た扇の一部が流れつき、讃岐の方言で壊れたことを「めげた」ということから「めぎ」の島名がついたといわれ、防風防潮用の石垣、オオテが島独特の景観となっていて、島の中腹に鬼が住んだとされる巨大な洞窟があり「鬼ヶ島」として有名な島です。洞窟出口で見られる玄武岩柱状節理は天然記念物。さらに、女木島の隣には男木島があります。100年を越えた今なお現役で瀬戸内の安全を照らしている明治28年に造られた全国でも珍しい御影石造りの様式灯台、そして、平坦地が少ない土地柄、密集した集落、坂道の石段や石畳が美しい情景を織りなし、桃太郎伝説で鬼の副大将が逃げ込んだジイの穴という岩窟には不老長寿の湧水があります。その由来は、源平合戦で那須与一が射た扇が流れついた事から「おぎ(扇)」の島名がついたといわれています。
この日の島々は、うす曇で霞んで瀬戸内海に幻想的に浮かんでいました。気温、湿度共に高くて、蒸し暑くありましたが、しばらく景色を眺めました。そして四国八十八ヶ所霊場、第八十四番札所の屋島寺へ参内いたしました。屋島の合戦の際に血がついた刀をこの池で洗い、池の水が血の色で真っ赤になったことから「血の池」と呼ばれる「瑠璃宝の池」、重要文化財に指定されている古刹の本堂は風格があり、山門も見事です。参道にはお店が並び、名物の屋島狸や縁起をかつぐ「かわら投げ」用のかわらをはじめ個性的なお土産が販売されています。合戦に勝った源氏の将兵が陣笠を山上から投げて勝どきをあげた古事にならい、小さな素焼きのカワラケを投げ飛距離を競うもので、屋島名物の一つ。戦勝にちなみ、受験の合格祈願にも霊験があるということで受験生に人気のスポットだと言われているようです。しっかりと屋島を堪能した後は、私用を済ませて、夕方から市内のお店「ゆめや」に繰り出しました。元祖は丸亀市ですが、高松市でも、すっかりご当地グルメの定番となった「骨付鳥」(柔らかい若鶏と硬めの親鳥の2種類があります)、瀬戸内の小鯛やえびをアレンジした一品など、オリジナル料理を堪能しました。
翌日は、高松での定宿である「川六」で、のんびりしてから丸亀町商店街から高松駅まで歩き、マリンライナーで岡山へと岐路に着きました。瀬戸大橋を渡る列車の車窓からの眺めは、いつも使うクルマからの眺めとは一味違った趣がありました。