県都岡山市の持続的な発展を考えるべく、5月31日、山陽新聞社さん太ホールにおいて、第1回まちづくりシンポジウムが開催されました。
東京圏への人口の一局集中が進み、岡山県の多くの自治体で人口減少・少子高齢化社会が進行しています。今の岡山市に求められることは、地域コミュニティの根源的役割である生活者の視点に立つ住環境の改善や安全・安心のできるまちづくりに向けた検討であると思います。こうした検討進めるためにおかやま地域発展協議体では「国際学都研究会」を設立して、地域の持つ歴史的資源・自然の豊かさを維持・継承しながら、新たな都市・交通計画を住民参加で実現すべく産官学が連携して、フランスのストラスブールや米国ポートランドへ訪問する活動を続けて参りました。そして岡山市においてはLRTの岡山駅乗り入れやJR桃太郎線のLRT化など、新たな都市交通政策が地域へもたらす経済波及効果について理解を得る活動が重要となっています。そうした活動が実を結べば、地域コミュニティと産官学言が真の意味で共生することが可能となり、かつ、地域の進化・発展に結び付く地域住民(モビリティの主役)、行政・NPO(専門ノウハウと実施)、企業(地域経済の担い手としての誇りと地域へのCSR)、大学(研究者としての知見・データの提供や学生の参加)が一体となりまちづくりが実現すると確信しています。
例えば、岡山市においても岡山市コミュニティサイクル「ももちゃり」の利用が高まりを見せていますが、ストラスブール、ポートランドでは、LRTが大学キャンパスへ乗り入れています。こうした取組みは興味深く、そこでの行政、企業、住民の立場については、「伝統的な地域づくりの発想から脱する」というコンセプトが貫かれています。伝統的とは、行政だけが計画立案のプロであり、地域住民への情報公開は混乱を引き起こすだけであると考えられ、企業は自社のメリットだけを考えた企業誘致や活動に専念していた時代をさします。
今日では、構想・計画段階から地元との徹底した協議とそれによる合意形成、そのための情報公開が、地域づくりにとって、益々、不可欠となってきています。重要な点は、計画決定の場に地域住民が参加可能な基盤の整備です。合意形成は、そのプロセスが透明で、かつ、参加の機会や自由が保障されていること、「施策の決定・実施段階における施策内容の提示」だけではなく、「施策立案段階からの情報共有、コミュニケーション」を目指すことが求められます。これは、合意が形成されるプロセスにおいて、「決定手続きの公正さ」が重要な役割を果たすためです。
こうしたなかで今回のまちづくりシンポジウムでは、これらの先進事例を参考にしながら、行政、有識者はもとより、市民の方々が参加して、中心市街地の活性化や都市交通のあり方やスポーツアリーナの必要性について“オール岡山” で考えました。主催は岡山商工会議所、岡山商工会議所青年部、共催は岡山市、岡山大学、日本政策投資銀行です。
岡山大学からは、高橋香代理事・副学長が挨拶に立ち、都市計画・交通計画のスペシャリストである環境理工学部の氏原岳人准教授が基調講演とパネルディスカッションに登壇いたし、岡山市の都市の魅力創造に求められる要諦について、研究者としての視点から持論を展開いたしました。
また、大きな拍手に包まれたシンポジウム終了後、表町で開催された懇親会は、大森雅夫岡山市長の乾杯で始まり、シンポジウムの振り返りや、更なる活動に向けた具体的なシティプロモーションや施策展開の在り方について熱い議論が交わされました。
番外編:岡山商工会議所が主導で進められたシンポジウム、会議所の関係者にジョイントさせて頂き2次会でした。
鶴岡良孝事務局長の名演奏♪、梶谷俊介副会頭の熱唱♪♪