日本貿易振興機構理事長来岡

政府の成長戦略では、日本企業の国際展開への支援や、日本を世界で一番ビジネスのし易い国にして世界からヒト、カネ、モノ、そして企業を呼び込むことが求められています。

JETRO(日本貿易振興機構)は2003年10月、日本貿易振興機構法に基づき、前身の日本貿易振興会を引き継いで設立されました国の組織です。急速に変化する時代のニーズに対応し、質の高いサービスを機動的かつ効率的に提供しておられます。また、70カ所を超える海外事務所と本部(東京)、大阪本部、アジア経済研究所および貿易情報センターをあわせた40以上の国内拠点を有し、こうした国内外のネットワークを活用して、企業と政府、企業と企業、ヒトとヒトを「つなぐ力」で成長に貢献されています。

その活動目的を、「日本の貿易振興に関する事業を総合的かつ効率的に実施すること並びにアジア地域等の経済及びこれに関連する諸事情について基礎的かつ総合的な調査研究並びにその成果の普及を行い、もってこれらの地域との貿易の拡大及び経済協力の促進に寄与することを目的とする。」と謳っておられます。

さて、この国を代表する機関のトップである石毛博行理事長が、2月23日、来岡され、岡山シーガルズ事務所をご訪問くださいました。お迎えしたのは、岡山商工会議所の梶谷俊介副会頭をはじめとする経済界、中国銀行、山陽新聞社、岡山大学、そして岡山シーガルズのスタッフです(岡山市は議会開催中により欠席)。

国は「未来投資戦略2017」(未来投資会議平成29年5月30日)において、地域経済好循環システムの構築をめざして「観光・スポーツ・文化」施策の中でスポーツ産業を通じた地域振興の推進を政策に掲げ、2025年までに20箇所の「多様な世代が集うスタジアム・アリーナの実現」を目標に定めています。また、そのなかで、国はスポーツMBA開講による経営人材の育成確保、さらには女性や障害者等のスポーツ実施率の向上を最重点政策として掲げています。こうしたなか、民間活力活用による地方創生の取組みとして、2020年東京オリンピック・パラリンピックを契機とするスポーツによる地域産業や観光の活性化が同時に進められ、全国各地でスポーツを活かした街の活性化策が展開されています。

岡山県においてもファジアーノ岡山、岡山シーガルズなどのプロスポーツをはじめ、岡山マラソンなどのアマチュアスポーツで地域を盛り上げ、国内外から多くの選手や観客が誘致され、宿泊・滞在を伴うスポーツを活かした交流人口の創出や観光や飲食をはじめアフターコンベンション企画の提供による地域経済の活性化施策が大きな成果をあげつつあります。こうした取組みにJETROのお力とお知恵をお借りしたく、そのお願いを石下理事長にいたすことが目的です。つまり、JETROが掲げる「対日投資の促進に注力」するという目標と、スポーツで海外から来岡する人や企業を増やそうとするオール岡山の目標は、一致できるのでは無いかと考え、このたび岡山シーガルズをお訪ねいただいたわけです。

岡山シーガルズのファンは海外にも広がり、とりわけタイには約3万人のシーガルズファンがいると言われています。日本経済の活力を高めるためには、規制改革などの環境整備を通じて世界で最もビジネスのし易い国、そして観光面でも最も安心安全な国として、積極的に外国人や企業を誘致することが重要であると考えました。

JETROが目指す「Talk to JETRO First」では、JETROは外国企業にとって最初のコンタクト先となり、研究開発や雇用創出効果の高い分野で誘致に取り組んでいます。そこでシーガルズが持つ海外ファン組織とのコネクションは非常に強いものを持っています。つまり、シーガルズも最初のコンタクト先であるという国際貢献の一翼を担う力を秘めているのです。JETROは外国企業をつないでおられます。シーガルズも外国のファンを日本につなげるように努力して参りたいと考えています。

こうして、3月3日から、 JETROのコーディネートでインドネシアとタイでシーガルズの活動をご紹介いただく予定です。

帰国しましたら、現地での活動を報告いたします。