岡山県市町村振興協会観光研究会

公益財団法人岡山県市町村振興協会「観光研究会」が、10月20日、サンピーチ岡山を会場に開催されました。ゲスト講師は、株式会社バリュー・クリエーション・サービスの佐藤真一代表取締役をお迎えいたしました。熊本県日田市の地域創生を、約10年にわたり覚悟を決めて実装しておられる活動は、気迫溢れる中にも冷静なお話であり、目から鱗が落ちっぱなしでした。特に、地域資源をPPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント:1960年代半ば以降の米国でGE(ゼネラルエレクトリック)が事業再編を進める際に、ボストン コンサルティング グループ(BCG)が1970年代に提唱した経営手法)の手法をベースにした4象限マッピングを多面的に活用した分析手法は大いに勉強させて頂く事ができました。

また、観光事業を推進するために国が中心に全国的に展開が進むDMO(Destination Management Organization)についても、実践活動に基づく辛口の論評が続き、成功の鍵は参加者の「覚悟」であると結ばれました。

観光庁の定義する日本版DMOは、「地域の「稼ぐ力」を引き出すとともに地域への誇りと愛着を醸成する「観光地経営」の視点に立った観光地域づくりの舵取り役として、多様な関係者と協同しながら、明確なコンセプトに基づいた観光地域づくりを実現するための戦略を策定するとともに、戦略を着実に実施するための調整機能を備えた法人です。このため、日本版DMOが必ず実施する基礎的な役割・機能(観光地域マーケティング・マネジメント)としては、
(1) 日本版DMOを中心として観光地域づくりを行うことについての多様な関係者の合意形成
(2) 各種データ等の継続的な収集・分析、データに基づく明確なコンセプトに基づいた戦略(ブランディング)の策定、KPIの設定・PDCAサイクルの確立
(3) 関係者が実施する観光関連事業と戦略の整合性に関する調整・仕組み作り、プロモーション
が挙げられます。
また、地域の官民の関係者との効果的な役割分担をした上で、例えば、着地型旅行商品の造成・販売やランドオペレーター業務の実施など地域の実情に応じて、日本版DMOが観光地域づくりの一主体として個別事業を実施することも考えられます。
」としています。
後半の研究会ワーキングでは、進行役を担当させて頂きました。

佐藤講師もご参加くださり、参加者の発表に対して、的を射たアドバイスを頂戴することができました。