旧友来岡

老舗の法律・経済・人文系出版社「有斐閣」で取締役法律編集局長をされている高橋均さんが、7月13日、岡山大学に来学されました。かつて勤務した金融財政事情研究会(旧大蔵省・文部省所管公益法人)時代の同僚です。日中は同社の筆者である本学佐野寛理事(教育担当)・副学長を表敬訪問いただき、本部理事室にて意見交換の時間を持ちました。佐野理事は、わが国を代表する国際私法の研究者・法学者です。落ち着いた雰囲気の中、佐野理事と高橋局長との間で専門的な会話がやり取りされました。また、最近の法律・経済・人文系学生の気質についても興味深いやりとりがなされました。

さて、小職との同僚時代、高橋さんが主に法務省民事局、裁判所、弁護士会、小職が大蔵省銀行局、証券局、国際金融局の担当で、役所や銀行への取材・原稿取りに明け暮れ、残業の後で酒を酌み交わし、カラオケを歌いながら、次の企画やわが国の将来について激論を交すといった日々を過ごしました。

時代は、金融自由化、円の国際化が進行、まさにグローバルスタンダード・規制緩和が幕を開けた頃です。銀行、証券会社、保険会社の業務、金利、商品規制の緩和が進み、また、大幅な外国為替管理や商法の改正などがあり、その最新情報を得て、解釈・解説、世に伝えることが、われわれの共通ミッションでした。

そしてバブル経済とその崩壊の様子を、霞ヶ関と丸の内を行き来しながら目の当たりにしました。

還暦が近くなり、高橋さんは少し髪が後退、小職は白髪となり、若かりし日々と比べれば、互いにずいぶんと穏やかな性格になったと感じつつ、有斐閣や本学の若手の皆さんを交え、数十年ぶりに笑顔で酒を酌み交わし、歌声を響かせた岡山の夜でした。