倉敷3題

9月3日、倉敷美観地区にある古本屋さん『蟲文庫』をお訪ねしました。


昨日まで東京から友人の編集者さんが蟲文庫さんに来ていたのですが、公務(森林ボランティア)のため会えなくて残念でしたので、様子を聞きにたちよりました。美観地区はまずまずの人通りでした。

その後で、駅まで戻り、倉敷中央病院の幹部の方と11月に開催予定のローカルサミットの企画打ち合わせをいたしました。岡山大学医学部とのコラボレーションを検討中です。


そして、9月3日のメインイベントは、倉敷青年会議所主催「山田方谷の財政再建に学ぶ地方創生」シンポジウムへの参加です。

まず、第1部では、山田方谷 「至誠惻怛」と「理財論」と題して日本政策投資銀行橋本徹相談役が基調講演をされました。方谷の足跡を辿りながら、「事の外に立ちて、事の内に屈せず」「義」「至誠惻怛」など、山田方谷が「何を成して、何をやるべきか」を優しく解説いただきながら、これらの教えは「言うは易く、行うは難し」で、いざやろうとしても、なかなか周りの人に理解してもらえないことが多く、目先の誰でも考え付くことをやっても、他者と同じ成果しか得られない、遠くを見渡す眼力を持ち、一見、理解されないことを、いかに反対があろうが義の心でやり抜くことが大切である、と説かれました。

その「義」と「至誠惻怛」が地方創生のキーワードであり、それは「無私の心」と言い換えてもよく、自分の利益よりも他人の利益、特に弱い立場の人たちの利益を考えて行動したのが山田方谷だと思う、と述べられました。そして、私心なく、自らを捨てて、正しいと思うことをすれば、最初は反対が多くても、最後には物事を達成できることを、静かな口調の中にも、信念をもって講話されました。さすがに、富士銀行頭取や日本政策投資銀行社長などトップを歴任された、わが国を代表する経済人の言葉は、全員の聴衆の心に響きわかりました。


続く第2部のパネルディスカッションは、予定していた高梁市近藤隆則市長がご都合で欠席されましたが、倉敷市伊東香織市長、岡山商工会議所岡﨑彬会頭(岡山ガス社長)、岡山経済同友会萩原邦章顧問(萩原工業会長)の3名が登壇され、小職がコーディネート役を担当させて頂きました。まず、橋本相談役が話題提供された「方谷論と地方創生」についての内容をまとめさせて頂き、続いて、現在の地方創生について概説し、岡山県の自治体や経済界が置かれている状況について問題提起をパネリストの皆様にお願いいたしました。

そして、わが国や地域社会が直面する課題、そして地方創生にまつわる問題意識について、それぞれのお立場からお考えを述べていただき、さらに、方谷の偉業や思想から、パネリスト自らが教訓とし、或いは、実践現場で行動する際に支えとしている点について、自治体運営やその社会実装、企業経営の実践展開という視点からご披露いただきました。後段では、地方創生で重要視されている「高梁川流域を結び、つなぐ」(連携中枢都市圏)という観点から、大切にすべき発想や教えについて、持論を展開いただき、最後に、「一言」、地域社会の創生に向けての決意を、それぞれに表明頂きました。

終了後の会場は、熱気に溢れざわざわしていました。300名を超える来場者の皆様には、満足を頂けたのではないかと思います。

倉敷市内で行われた懇親会では、日本政策投資銀行橋本徹相談役はじめ皆様方とご一緒させて頂き、地方創生に向けて大いに盛り上がりました。


帰りは、岡﨑彬会頭の専用車で拙宅までお送り頂きました。
生涯の思い出に残る、誠に充実した1日でありました。