地域創生への学生参加~井原市

3月28日~29日、岡山大学天文部の学生たちが、井原市美星町にある「日本3選星名所」井原天文台を訪問しました(沖縄県石垣島、岡山県井原市美星町、長野県南牧村が、天文学者が選ぶ「日本で一番綺麗な星空ベスト3」です)。28日13時に大学本部棟前に集合、2台の車に分乗して出発です。

まず、美星町「星の郷青空市」を訪ね、「徳山牧場アイス工房」で、学生たちに地元の原材料でつくった絶品ジェラートをご馳走しました。地取り野菜や美星豚など地元の産物を見て周り、また、美星バーガーや井原デニムなど井原の名物がなにかを説明しました。

そこへ井原市「元気いばら創生戦略本部」の皆さん3人が出迎えに来てくれました。井原市美星支所(旧美星町役場)を訪問して、ご担当に方にご挨拶をいたしました。庁舎は星の五角形をテーマにした瀟洒なデザインです。記念写真を撮らせていただきました。

近所の生協で、夕食と朝食を買い込み、宿泊先の「星の郷ふれあいセンター」へチェックイン、荷物を部屋へ搬入しました。そして、NHKの大河ドラマ「武蔵MUSASHI」や原作小山ゆうの「あずみ」など、時代劇のロケ地で有名な「中世夢が原」を拝観しました。

いよいよ「美星天文台」を訪問、綾仁一哉台長から、美星天文台のあらましや、研究や教育活動、天体観測活動、そして宇宙の神秘と天文学の進化、星空の魅力について講和を頂きました。そして、上映中は立体メガネを着用して、150インチの大型スクリーンに2台のプロジェクターを使って投影される4D2Uシステムで、太陽系を始めとする宇宙の映像を投影頂きました。

4D2Uとは、国立天文台4次元デジタル宇宙プロジェクトの略称で、最近の天体観測のデータに基づいた宇宙の構造や進化を、コンピュータを使って立体的に映し出すシステムです。これには、素人の小職も感動しました。目の前に星が迫ってくるリアル感、まるで宇宙遊泳をしている気分になれました。そして宇宙の構造を学ぶことができました。続いて、「星」をテーマにした地方創生の可能性について、周辺の情報を整理して 美星のあり方を再確認する為の組織地元まちづくり団体“ir.bisei”の川上直哉代表、そして地域おこし協力隊の皆さんにも加わっていただき、意見交換会を“車座”になって開催しました。綾仁台長や川上代表の星をテーマにした地域貢献や地域おこし活動に、学生たちは熱心に聞き入り、意見や質問が全員から出され、実り多き充実した時間を過ごすことが出来ました。

その後はお待ちかねの観測会です。晴天と月が隠れるという絶好の観測環境の下で、大型天体望遠鏡から見る木星は、二重のストライプがはっきり確認でき、とても綺麗でした。そして、冬から春にかけての星座の数々を観察することが出来ました。改めて、人類存在の奇跡と、宇宙の壮大なスケールと比較した自分の小さな存在を感じずにはいられませんでした。天文知識を持つ学生たちは口々に、観測する星座について語り合っていました。

天文台やお集まり頂いた皆様に御礼をして、宿泊先の旧美星高校を改装して宿泊施設として活動する「星の郷ふれあいセンター」に参り、遅い夕食と入浴を済ませ、小職から岡山大学の学生たちによる地域活動について、プロジェクターを使って、ミニ講義を行い、日付が変わる時刻まで、交流を深めました。

さて、翌日は、管理人さんに御礼を言って、朝から井原市芳井町にある地域おこし協力隊活動拠点“栄庵梅(え~あんばい=良い塩梅という意味の方言)”へ向かいました。現地では、地域おこし協力隊として活動されている山脇節史さんから、着任から現在までの苦労話や成果、数々のエピソードをレクチャー頂きました。

栄庵梅は、芳井町明治ごんぼう村にある古民家を改修し、交流施設として生まれ変わった、山脇さんが居住する創生拠点です。使わなくなった高校の机やいす、また、跳び箱を再利用した応接セットなど、地域の皆さんの協力で完成した家屋は夢と希望に溢れていました。

井原市芳井町花滝地区で、古民家を再生した地域交流拠点がオープンした。名前は「良い塩梅」をもじった「榮(え~)庵梅(あんばい)」。築100年近い木造平屋(約90平方メートル)の民家。地域おこし協力隊員の山脇節史さん=福山市出身=が昨年10月から住み込み、住民組織「芳井町まちづくり協議会」の若者グループ・縁(えにし)プロジェクトなどと協力して作業した。改修はシロアリで傷んだ床の張り替え、壁の塗り直し、シンボル看板制作・設置―など大がかり。屋内は3部屋の和室をひと間にまとめ、広々とした交流スペースとした。公民館や集会所と異なり、地域内外から多くの人に立ち寄ってほしい―という思いも具体化。来訪者が気兼ねなく話ができるよう、玄関を土間のある空間に改め、薪ストーブ、座布団を並べた長いすを設けた。当面は定期的に催しを開き、住民が足を運ぶ機会を積極的につくる計画。山脇さんは今後、他地区でも空き家対策に乗り出すことから「活用方法の一つとして、参考になるような事例にしたい」と話している。6日に完成式典があり、森中秀雄・まちづくり協議会長があいさつ。関係者がテープカットして祝った。地元住民向けの見学会も開かれ、さっそく大勢のお年寄りらが来訪。屋内を見回ったり、友人とお茶を飲みながら話に花を咲かせていた。(3月11日山陽新聞ニュースより)」。

学生たちからも地域創生に関する意見や質問が活発に出されました。丁度、梅の花が満開でしたので、庭先で記念撮影をさせて頂きました。

栄庵梅を後に、最後は、井原駅の構内にある地元生地を使った本格デニムショップ「D♯」などを見学してから、井原市「元気いばら創生戦略本部」を訪問して、戦略策定担当の皆さんから地域創生「人口ビジョン」と「総合戦略」について説明を受け、急速に進む少子高齢化・人口減少対策の必要性について討論の時間を頂だいしました。

学生達は、今回の結果を持ち帰り、今後、学生達が出来ることを考え、皆さんに提案する予定です。