市街地へ戻り、10時半にホテルで岡山大学からボルドー大学へ留学している学生と待ち合わせして、まちを案内頂きながら生活の様子をお聞きしました。休日ですので、ユネスコ世界遺産に指定されている中心市街地を徒歩とトラムで散策しながら、まずはブルス広場にある国立税関博物館を拝観しました。旧大蔵省の公益法人に長く勤務していましたので、関税局の業務についても少しかかわった経験があります。ここ国立税関博物館は、フランスで最も古い役所のひとつとされ、長い関税の歴史を雄弁に語る展示品が数多く拝見することができました。輸入品の重さを量る巨大な天秤量り、数多くの特殊な道具類、密輸業者の摘発や偽造品検査の資料、アヘン吸引器具からライオンのはく製まで、誠に興味深く拝観させて頂きました。
次は、アキテーヌ美術館へご案内いただきました。ここは先史時代や古代の人類の起源とも言える数々の遺跡をスタートしてから、有史以降のボルドーの歴史の足跡を部屋ごとに見学できるコースとなっていました。また、アキテーヌ博物館は別名「文明博物館」とも呼ばれ、16世紀の哲学者のミシェル・ドゥ・モンテーニュ(Michel de Montaigne)が、墓碑棺から発掘、とりだされる現場の映像が流されていました。博物館となる前、この建物はモンテーニュの思想を源流としたボルドー大学の教養・人文学部として使用されていたと教えて頂きました。
また、ここボルドーは大航海時代に大いに繁栄した都市です。アフリカ大陸から持ち帰った品々や奴隷船が着く港でしたので、奴隷貿易時代の実際の様子を残した絵や資料の数々が展示され、克明に理解することができました。
ペイ・ベルラン広場にあるサン=タンドレ大聖堂は「パレロアン (Palais Rohan)」というボルドー市庁舎の目の前にあり、ボルドーの旧市街と新市街の境目に建っています。大聖堂とは離れた位置に建てられた鐘楼、この12世紀に建てられた大聖堂は、低音の大鐘の重さを支えられるほど頑丈なものではありませんでした。1440年に聖堂とは別の場所に鐘楼が建てられたのはそのためです。こうしてボルドーで最も高い建造物、ペイ・ベルラン塔が誕生しました。もともと塔の屋根の先端は細く尖っていましたが、1617年に起きた暴風雨によって折れてしまったため、代わりに十字架が先端部分に取り付けられました。また、1863年にはドネ枢機卿により、ノートルダム・ダキテーヌの聖母子像が頂上に設けられました。1853年には、重さ11トンの大鐘が塔に設置されました。この大鐘は、フランスで4番目の大きさを誇ります。塔の最上階(地上50m)までは229段もの階段を登る必要がありますが、そこでしか見ることのできないボルドーの街並みや建物は必見です。ペイ・ベルラン塔は月曜日を除き、毎日開放されています。」とあります。
今日は休日で、訪問予定が無かったため、時間に余裕がありましたので、大聖堂の中を、時間をかけて拝観したあとで、クリスチャンではありませんが、長椅子に腰を掛けて、静かに聖堂を眺めながら心を清めさせて頂きました。とても貴重な得難い経験を積ませて頂くことができました。 日が暮れてきましたので、夕飯はピザ店に参りました。
結構、歩きましたので、お腹がペコペコでしたので、ぺろりと平らげました。