留学生と学ぶ日本の伝統文化

岡山県の北西に位置する新庄村を訪問して、日本の伝統文化と自然の素晴らしさを学びました。参加者は、フランス3人、アメリカ2人、ドイツ、ベルギー、日本2人の学生9名、教員は留学生と日本人学生の交流拠点「L-Café」担当の藤本真澄准教授と地域担当の私の2名です。

新庄村(しんじょうそん)は、岡山県の北西部に位置し鳥取県と境を接する村で真庭郡に属し、明治5年の村政施行以来一度の合併もなく、大字のないのが特徴です。また、岡山県内では英田郡西粟倉村と共に2つある村の1つです。人口は県内の自治体中では最小で約850人、約380世帯です。昔は出雲街道の本陣・宿場町「新庄宿」として栄え、旧出雲街道は今も当時の面影を残す風情ある通りとなっています。現在では日本で最も美しい村連合加盟自治体であり、毛無山を主峰とする1000m級の美しい連山に囲まれ、岡山県三大河川のひとつ旭川の源流域にもあたります。毛無山にあるブナの原生林を中心とした混生樹林が多く植物、野鳥の宝庫となっており、希少な動植物も数多く生息しています。そして冬季は豪雪地帯でもあります。

さて、新庄村の歴史をみると、古くは「御鴨の庄」として吉備の国に属し、推古天皇のとき吉備の国が備前・備中・備後に分かれると「御鴨郷」として備前の国に属し、和銅6(713) 年備前の国から分かれて美作の国ができたときは、「美甘郷」と改めていました。 その後、応永年間(1400 年頃)に三浦貞宗が美作高田(真庭市勝山)に居住の際、御鴨の神の荘園の地として新庄が分離したといわれ、「作陽誌」には真島郡の古城として「澤城在新庄村」と示されています。江戸時代に入り、森氏、松平氏、三浦氏など支配者が変わる中でも、「新庄村」のまま続き、勝山藩時代の天保5(1834)年、広い新庄村は年貢の徴収をしやすくするため奥分、町分と分郷し庄屋が置かれました。明治4(1871)年廃藩置県当時の新庄村には5人の庄屋が置かれました。明治5(1872)年には制度改革の中でも「新庄村」は変わらず、明治 22(1889)年の市町村制施行、明治、大正、昭和、平成の大合併を乗り越え今日に至っており、全国的にも珍しい「大字」のない村となっています。

自然は、岡山県の西北端に位置し、北と西の境は鳥取県に、東は真庭市蒜山地域に接しています。中国山地の尾根部にあり、毛無山を主峰とする1000m級の美しい連山に囲まれ、岡山県下三大河川のひとつ旭川の源流域に在ります。谷あいを流れる清流が集まって新庄川となり、南下して真庭市勝山で一級河川旭川に合流しており、総面積は 67.11k ㎡で山林が91%を占め、谷あいに沿って標高450~600mに集落が点在している典型的な山村地域であると言えます。耕地面積は179haで新庄川を中心とした平坦部と峡谷に沿って階段状に点在しており、生産性及び生産条件は厳しいものとなっています。

気候は、日本海側に属し平均気温は11℃と低く、また、平均降雨量は年間1800mmを超えます。降雪期は12 月から3月までと長く積雪量も多いのが特徴です。地理的には、真庭圏域にあって、圏域の中心である真庭市久世には国道181号で通じており、一方、中国横断自動車道(岡山・米子線)久世インターチェンジ、湯原インターチェンジを通じて、岡山県南や四国方面と連絡しています。また、圏域南部を通る中国縦貫自動車道を通じて阪神方面、九州方面と連絡しています。高速道路網の整備により平成 17 年度に開通した主要地方道北房川上線野土路トンネルにより、村の表玄関が中国横断自動車道(岡山・米子線)蒜山インターチェンジとなり、県下有数の観光地帯である蒜山の関連地域として位置付けられるようになっています。
新庄村の振興計画・総合戦略では、平成 22(2010)年度に「新庄村振興計画」を策定し、各種の施策を着実に推進して計画的に村行政を進め、むらづくりに取り組んでいます。また、平成 27(2015)年度からは、人口減少問題を優先課題とし、地方創生を進めていくことを目的として「新庄村まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定し、地方創生事業に取 り組んできました。さらに、今後の人口を予想した人口ビジョンを踏まえたうえで、持続的に発展し魅力あるむらづくりを推進するために「振興計画」と「総合戦略」を一体とし、村政の指針となる新たな「新庄村振興計画・総合戦略」を策定、令和2(2020)年度から令和6(2024)年度までの5か年の計画が進行しています。

(1) 基本理念

基本理念とは、むらづくりの基本的な考え方を示すものです。 今後5年間のむらづくりに向けた基本的な考え方です。
ア 安全で安心に暮らせるむらづくり
新庄村で暮らす全ての人が、安全に生活し続けられることにより、生涯安心な暮らしができること、これは住民及び行政の最も基本的な想いです。今も地域で支え合う顔の見える関係が暮らしの中に活かされており、この人と人とが見守り合うつながりを大切にし、安全で安心な暮らしを営みたいという住民の想いや願いをかなえるむらづくりを進めることとします。
イ 豊かな自然を次世代に引き継ぐむらづくり
国立公園に指定されている毛無山を代表とする新庄村の豊かな自然は四季折々の姿で我々の心を癒してくれるとともに、流れ出る清流で農作物を育ててくれます。この貴重な自然を次世代の子どもに残していくことは、自然から恩恵を受け、この地で育ち、暮らしを営んできた我々の責務であることから、この自然環境に配慮した美しいむらづくりを進めることとします。

(2) 将来目標

ア 将来像
自然豊かなこの地で、心豊かな人材を育むとともに、地域産業を発展させ、皆が安心して笑顔で暮らせる美しい村を目指します。
イ 目標人口
人口ビジョンを踏まえた本計画においての令和 22(2040)年の目標人口(戦略人口) は、630人程度とします。

(3) 雇用や就労等に関する分析~年齢階級別産業人口の状況

産業別就業者数を見ると、新庄村の地域特性から農業の就業者が一番多く、次いで医療・福祉が多い。人口構成は高齢化していますが、この状態は逆に雇用の受け皿として貢献していることがわかります。雇用創出の観点から、今後どの分野の産業を重点的に振興すべきかを地方版総合戦略策定における課題として考えていく必要があります。
新庄村の産業において、もっとも就業者が多い農業の就業者は減少を続けてきましたが、平成27(2015)年に僅かながら増加しています。また、林業就業者は平成 12(2000) 年を境に増加傾向にありましたが、平成 27(2015)年に減少に転じています。農林業の担い手が減少することは、耕作放棄地等の増加を意味し、新庄村の大きな魅力である昔ながらの美しい風景が損なわれてしまいます。農林業の収益性を高めるため、村内で一貫して生産・加工・販売ができるようにするなど、就業者にとって魅力のある産業とする必要があります。商業では、年間商品販売額が商業全体では平成9(1997)年から平成 26(2014)年までの17年間で59%減少しています。人口減少や少子高齢化による購買者の減少が主な要因と考えられます。また、買い物自体を村外の小売店で行い、村内の小売店では購入しないことにも繋がり、連鎖的に減少していると考えられる。

《推進施策》

①ヒメノモチ・農作物加工場の新設
人口減少が進む新庄村において、基幹産業である農業と美しい農村景観を次世代に残していくためには、生産品の付加価値を高めて農業者の所得向上と遊休農地・耕作放棄地を発生させない取組の強化を図り、担い手を確保することが喫緊の課題となっています 。このため、特産品であるヒメノモチの生産量・加工量増加に向け、新たなヒメノモチ加工場やその他の農作物加工場を整備し、作物の生産だけではなく、村内で生産から加工・販売を行い、農業者等の所得向上と地域の活性化を目指します。

②農業生産物の高付加価値化の推進
6次産業化により、マーケットの要請や消費者ニーズを捉え、特産である源流農作物等を原料に付加価値の高い加工品の開発をさらに進めるとともに、中心となって6次産業化をけん引する人材の育成を図ります。

③力強い担い手の育成
儲かる(稼げる)農業及び遊休農地・耕作放棄地の減少を目指して、経営規模拡大に向けた農地の集積・集約や企業等の農業参入に向けた支援を行います。また、アグリサポートセンターの機能強化と担い手を中心とした営農団体を設立し、担い手の育成を進めていきます。

④林業活性化
村の基幹産業である林業の活性化及び木質エネルギーの地産地消を目的として、村内の豊富な森林資源を活用した木質バイオマスによる発電と熱を利用した温浴施設等を整備することで地域経済の活性化を図ります。

⑤新庄の魅力を活かした誘客の促進
本村は「日本で最も美しい村連合」に加入するなど、都市部にはない美しく豊かな自然や出雲街道の宿場町であった村の歴史・文化が残っており、このような魅力ある地域資源を活かし誘客を促進し交流・関係人口の増加を図ります。

⑥がいせん桜通りの魅力向上
がいせん桜通りのグランドデザインで示される整備方針や賑わい創出などに取り組むことで、通り周辺エリアの魅力度を向上させ、出雲街道新庄宿の活性化を図ります。また、古民家宿泊施設「新庄宿須貝邸」に続き、新たな宿泊施設や店舗などを整備することで、収益性の向上による関連施設の経営安定化を図るとともに、アルベルゴ・ディフーゾ(分散型ホテル)として魅力を高め、地域経済を活性化し村内への経済循環を図ります。

⑦真庭観光局との連携
交流人口の増加を目指す上で、真庭地域との連携は欠かせないものとなっています。現在、真庭観光局と連携し、誘客を促進していますが、引き続き協力関係を維持・発展させ、効果的なプロモーションを行うことで真庭地域全体の活性化を図ります。

⑧新しい働き方の検討
新たなライフスタイルや働き方を求める人が増えており、起業を志望する人や、都市圏と地方で生活を送る「デュアラー」、自らの興味と技術で複数の仕事を掛け持つ「ポートフォリオワーカー」をターゲットに新庄村での暮らしを発信し、関係人口として取り込むことで、村内での起業や週末生活者など自ら稼げる人材を創造し、地域の活性化を進めます。

⑨空き家を活用した起業の促進
若い世代を中心とした村内での起業を促進するため、空き家を店舗へと改修してリーズナブルな価格設定で貸し出すことで、導入にかかるイニシャルコストを低減し、安心して起業や出店ができる環境を整備します。

⑩テレワーク事業の推進
テレワークは働く場にこだわらず、性別、年齢も関係なく、自分の好きな時間に行うことができるという利点があり、本村では平成27年度からテレワーク人材の育成事業に取り組んでいます。今後は、企業のバックオフィスなどの一部移転を働きかけ、既に村内で登録しているテレワーカーの雇用と結びつけることで村内経済への波及と子育て中のお母さんでも働きやすい環境の整備を目指します。

⑪移住促進住宅の整備
減少し続ける村の人口を増加させるためには、移住者の受け入れ態勢を整える必要があり、移住施策を進めるうえでの足かせとなっている住宅不足を解消するため住宅の整備を促進します。

⑫小中一貫教育の充実
小中学校の施設が一体型となっている点を有効に活用した職員室の一本化や、「地域の学校」として空き教室の有効利用、保育所を含めた給食を提供する学校給食センターの施設整備を進めることで、質の高い教育の提供や効率的な組織体制を実現します。

⑬健康寿命の延伸と介護予防の充実
日常生活において、村民が継続的に健康管理や健康づくりの推進に取り組むことができるよう、健康増進施設の整備や健康情報の提供を推進します。また、特定健診や特定保健指導等を通じて生活習慣病の予防を図ります。

⑭高齢者住宅の整備
今後、人口減少が進むことにより独居高齢者が増えることが予想されます。高齢者本人が安心して暮らせるようにするとともに、離れて暮らす家族の負担を軽減するため、高齢者住宅の整備を検討します。

⑮憩いの場の整備
地域住民の交流や憩いの場として、空き家を活用した子どもから高齢者まで気軽に訪れることができる図書室などを整備し、時間を気にすることなくゆったりと過ごすことができる環境を整備します。また、学校図書館や公民館図書室ともネットワーク化することにより、村民が自由に村内の図書を利用できるようにします。⑯地域内交通網の充実 人口減少や高齢化の進行により増加する交通弱者に対応する必要がありますが、村内の公共交通機関は真庭市から乗り入れているコミュニティバス「まにわくん」と村内を巡回する「しんじょうくん」のみとなっています。このような既存の公共交通サービスを活かしながら、地域住民による送迎サービスの導入など、その他の移動手段を確保する必要があります。

今回の授業、授業名は「留学生と学ぶ日本の伝統文化」です。日時は文化の日にちなんで11月3日~4日、新庄村で学ぶプログラムです。
まず、新型コロナの変異種対応の抗原検査を実施、その結果の写真を撮って提出、グループAは、午前7時30分岡山大学清水体育館前に集合、車で新庄村へ、グループBは、午前7時35分、セブンイレブン店頭券売機前集合して、チケット購入(必要に応じて日本人学生が留学生のチケット購入をお手伝いします。)、準備ができたらプラットホームに行き列に並び、8:05発の伯備線八雲3号4号車(自由席)に乗車、9:51にJR根雨駅着、新庄村の9:52、コミュニティバスがお迎えで新庄村へ。グループAとBは10:30新庄村で合流。

10:30発:がいせんさくら通りのまち歩きです。がいせんさくら通りは、樹齢100年を超える古木を含む132本の桜のアーケード(約400m)が、旧出雲街道の街並みに沿って続きます。桜のシーズンは、新庄村による屋台がおよそ50店軒を連ね、里山の恵みを活かしたグルメも堪能できます。期間中、LEDによる夜桜のサイトアップも実施され、美しく照らされた「がいせん桜通り」は人気です。いまのシーズンは、桜の葉が色づいて、美しい景観が見事です。また、ここは水路を清水が流れ、各自宅前には、清水の溜まりがあり、大きないろいろな綺麗な鯉が飼われています。新庄村は山深いため魚が貴重であり、昔は色鯉はいなくて、食用に真鯉(黒の鯉)だけだったと教えてもらいました。
また、須貝邸はじめ宿泊施設や誰でも使えるコミュニティスペースなどを見学させて頂きました。また、本陣も改装中で、来年度から宿泊施設としてオープンが予定されています。樹齢100年を超えた材で製作されたエレキギターが展示されていました。
さて、お昼は道の駅「がいせんさくら通り新庄宿」にて各自ランチをとりました。自前の弁当の持ち込みも可能としました。
名物の「ひめのもち」が入ったメニューが人気でした。
私は本格カレーにトッピングでひめのもちを追加しました。
案内役をつとめてくださった石藤延史副村長から「カレーにお餅を追加した人は初めてです」と笑われました。

こうして11:50に道の駅を出発、12時に森林セラピーの登録を行い、森の案内人である國六の黒田慎路常務のガイドにより体験コースに出発しました。森林セラピーとは、一歩進んだ森林浴です。新庄村の解説によれば「森林の有する効果は、これまでも森林浴として長年親しまれてきましたが、それは感覚的に語られる傾向が強かったようです。一方で、私たちの暮らす現代社会では、ストレスや運動不足等が大きな問題となっており、これらの解消・解決方法が求められています。そこで、森林浴の効果を科学的に解明し、心身の健康に活かそうという森林浴から一歩進んだ試みが「森林セラピー」です。森林浴をはじめとした森林レクリエーションや森林内の地形を活かした歩行リハビリテーション、樹木や林産物を利用する作業療法、心理面では散策カウンセリングやグループアプローチなど、森林環境を存分に活かして五感機能をフルに使い、かつ養えることが森林セラピーの持つ大きな特長です。セミナープログラムとしては、「ゆりかごの小径」散策とネーミングされています。毛無山は、岡山県レッドデーターブックに掲載されている重要生物が多数生息し、ウスイロヒョウモンモドキは県内最大級の産地です。旭川の源流のせせらぎや鳥のさえずり、木々の香り、落ち葉に覆われた身体にやさしい小径が心を癒してくれます。この「ゆりかごの小径」は、大山隠岐国立公園特別保護区にあり、毛無山の麓に位置し貴重な動植物が自生しています。新庄村認定の森の案内人と同行しないと入れない森林セラピーの森で、全長約2kmの小径を新鮮な空気を胸一杯に吸いながら、ゆっくりゆったりと散策します。季節ごとに咲く花やさまざまな葉っぱの緑、ブナやおおきな杉の木、せせらぎの音や鳥の声、木漏れ日などが迎えてくれるでしょう。土の道、木のチップをふかふかに敷き詰めた道は足にも心地よく、落ち葉の道やどんぐりの道など小径の表情も季節ごとに変化します。からだ全体で森の癒し効果を受け取ってください。傾斜もゆるやかなので中高年の方にも安心して歩いて頂けます。

ゆりかごの小径の距離は、約2km(土・落ち葉道)で、時間は約120分、旭川の源流域を巡りました。
まず、黒田さんの解説では、山中に磯の塊が並べてあり、それは何か質問されました。その答えは、「たたら炉」による製造作業の名残として製鉄の跡であり、吉備の国が誇る日本刀の源流を見ることができました。
また、自然林と人工林の違いや環境への影響、また、天然木の100年を超えた杉の巨木の説明を受けました(県外で生まれた期の苗を植えることは無く、地元の苗で植林することがルールだと教わりました)。
途中で、旭川の源流に手を浸して、冷たさを感じる体験や各人「ヤッホー」と木霊体験など、面白いメニューを次々とガイドしてくださいました。
こうして約2時間のコースは大満足でゴール、そして森林セラピーの次は「不動滝つつじ公園」で紅葉狩りです。見事な手入れが行き届いた紅葉山です。山が紅く燃えるような輝きを放ち、紅葉は真っ盛りです。

また、不動の滝も落差が高く、岡山県屈指の名瀑と言えます。真庭観光Webによれば「男滝は大きな滝壺へ豪快に流れ落ち、滝の高さは約38mで、その名前からも豪快な水しぶきが上がる荒々しさが特徴。その一方、100m程下流には高さ約5m、2つの滝が並ぶように流れる女滝がひかえ、男滝とは対照的に、周囲の樹木との調和が素晴らしく、四季の彩に染まる美しさが印象的な滝となっています。」と解説しています。

さて、夕方からは、ひめのもちの餅つき体験をさせて頂きました。新庄村によれば「夏の昼と夜との温度差が激しい新庄村は、美味しい餅米の生産に最も適した気候条件です。そんな新庄村全域で生産しているのが「ヒメノモチ」 です。新庄村の「ヒメノモチ」は、旭川の源流であるブナの原生林「毛無山」一体から湧き出る清流、肉用牛の有機堆肥に恵まれた大地と澄んだ空気から生まれた特産の餅米です。最新の加工施設で安全・安心・良質の「ひめのもち」加工製品をお届けしています。昭和58年にヒメノモチの生産が始まり、玄米や餅加工品として「新庄村特別村民制度」による特産品郵送や道の駅等で販売し、消費者から高い評価を得ました。平成14年に「新庄村ヒメノモチ生産組合」を結成し、さらなる生産拡大、品質向上、ブランド化を推進しています。平成21年10月に第2加工場が竣工され、もち加工品の生産を拡大しています。」と解説されています。


まず、地元のプロによる実演を見学させて頂きました。
特徴は、水を使わずに4人で一気につき上げる手法です。
そして固くなる前に、これも一気に取り分けます。
二臼目は、留学生たちが体験です。
丁寧に指導を頂きながら、留学生と日本人学生共に集中してつき上げました。
そしてとりわけ作業も体験させてもらいました。
あんこ入り餅、丹波黒豆の黄な粉餅、そして雑煮の三種類で賞味させて頂きました。
お代わりをどんどんして、お腹いっぱいになりました。
この体験は、特にお餅の文化が無い留学生には得難い経験になったと確信しました。
夜は温泉射的ゲームを準備頂き、大いに盛り上がりました。

11月4日、朝は8:20にロッジ出発、毛無山ハイキングです。
約4時間のコースを留学生たちは元気にこなしました。
若さから、予想以上に早く下山しましたので、ハイキングを終え、お土産を求めに、昨日の道の駅へ行き、学生たちは思い思いにお土産を買い込みました。

そして午後1時40分から村役場を訪ねて小倉博俊村長との懇親会でした。
参加者から、一人一人自己紹介と専門の紹介、そして新庄村の印象と経験談を披露しました。
そして小倉村長から、興味深い質問が次々となされました。

小倉村長の思いは次の通りです。
新庄村は明治5年の村政施行以来一度の合併もなく、さまざまな艱難辛苦を乗り越えてきました。新庄村を愛する村民の熱い思いを受け止め、平成14年に「小さくても合併せずに自主自立の村を目指す。」新庄村宣言をし、平成の大合併の大きな流れにも立ち向かい今日に至っています。今、国はまち・ひと・しごと創生本部を設置し地方自治体の自主的な取り組みを可能にしようとする方向に動きはじめました。地方新時代が始まります。私はこの流れを見越し、いち早く「新庄版総合創生戦略」作成に着手しました。民意を尊重した夢と希望と活力のある新庄村を作りだします。里山にはお金に換算できない価値が眠っています。新庄村の強さは、「顔が見えるサイズ感」です。小さな村が自然を生かし、都市と世界と縁を結んでいく、そんな大きな夢を子どもたちと描きながら、先人が歩み、受け継がれてきた道を、今度は私たちが次の世代へつないでいきます。
留学生からは、村に対する質問も出され、中には新庄村に定住することは可能か、仕事はあるかなど、本気度の高い質疑応答の時間が持たれました。
そして建設中の新しい村役場庁舎の前で記念写真を撮影してから、特別に中をご案内いただきました。
ふんだんに村の木が使われています。
この時期に新庁舎を建設する新庄村は地方創生に向けて元気いっぱいです。
完成がとても楽しみです。

村の関係者の皆様にお礼を申し上げ、午後3:00に村役場を出発、車で来た学生は村営バスに乗って午後3時54分JR根雨駅発、午後5時39分岡山駅着の八雲22号で帰路につき、行きが電車の学生は大学の車に乗って岡山大学津島キャンパスに無事に到着しました。
特産品のサルナシを購入して、サルナシ酒を造りました。
これからの楽しみが増えました。