広島県府中市訪問(10月21日の①)

通称「ふるさと財団」(一般財団法人地域総合整備財団)は、「地域における民間能力の活用、民間部門の支援策として考え出され、昭和63年12月21日、自治大臣(現: 総務大臣)及び大蔵大臣(現: 財務大臣)の許可を得て、都道府県、政令指定都市の出捐による財団法人として発足した財団で、地方自治の充実強化のため、地方公共団体との緊密な連携の下に、民間能力を活用した地域の総合的な振興及び整備に資する業務を行うとともに、地方公共団体が実施する長期資金の融資業務を支援することにより、地域における民間事業活動等の積極的展開を図り、もって活力と魅力ある地域づくりの推進に寄与することを目的としています。そのなかで、地域再生マネージャー事業は、市町村等が地域再生に取り組もうとする際の課題への対応について、その課題解決に必要な知識、ノウハウ等を有する地域再生マネージャー等の外部の専門的人材を活用できるよう必要な経費の一部を支援するものです。地域再生に向けた地域の課題が明確になっており、その課題解決に市町村等が戦略・ビジョンの策定を行っている段階において、住民主体の持続可能な体制に整備するとともに、ビジネスを創出して雇用に結び付け、地域が自立的に行動できる仕組みを構築するために、市町村等が外部専門家を活用する費用の一部を助成しています。

小職はこのふるさと財団の地域再生マネージャー事業アドバイザーを拝命しており、今年度採択された広島県府中市の地域再生マネージャー事業の状況把握のために、10月21日から22日、一泊二日の日程で、財団の皆さんと現地ヒアリングに参りました。府中市は令和3年10月1日現在の人口は37,454人、世帯数は17,117世帯、広島県の東南部内陸地帯に位置します。ご案内頂いた市の方から「府中市は、400〜700メートルに及ぶ山々が起伏する盆地のまちであり、南は瀬戸内海に注ぐ芦田川水系本流及びその支流、そして北は日本海に注ぐ江の川水系上下川が流れ、市北部の上下町には分水嶺があることが特徴のまちです。府中の名は、8世紀ごろにこの地に「備後国府」が置かれ、備後国の政治、経済、文化の中心であったことに由来します。また、府中市にある上下町は、かつて石見銀山からの銀の集積中継地であったため、幕府直轄の天領として地域の政治・経済の中心地として富を蓄え栄えたまちでした。そのため現在でもその面影を残す白壁・なまこ壁の美しい建物が並ぶロマンあふれる町並みが残っています。」とご説明頂きました。

さて、最初に、令和3年7月21日にオープンしたばかりの府中市子育てステーション「ⅰ-coreFUCHU(いこーれふちゅう)」へご案内頂きました。ここは天満屋の2階の半分を市が譲り受け、ギャラリースペースやコミュニティスペースを実現、市民が自由時間を過ごせる空間であると共に会議やセミナーで使える多目的室の整備、さらにマルシェやフリーマーケットの開催などビジネスにも活用できる仕組みを実現しています。そして肝が、保健士と保育士の配置による母子保健業務と子育て支援業務の窓口を一本化した「子育てステーションちゅちゅ」の整備です。内部まで見学させて頂きましたが、これから出産期を迎える層から子育て世代まで、幅広く一貫してケアができる体制が完備されていました。デザインも素敵で若い女性やイクメンにも人気であろうと想像いたしました。

市長室へ小野申人市長を訪問させて頂きました。冒頭、先ほど見学させて頂いた「ⅰ-coreFUCHU(いこーれふちゅう)」の話題となり、市長が「「学び」「チャレンジ」をコンセプトとし、「ヒトがヒトを、ビジネスがビジネスを呼び込む」、そして安心して出産から子育てができる拠点の整備と併せて“府中ならでは”“府中らしさ”を発揮した地方創生を実現する拠点」を実現されたとのご説明を受けました。また、東京オリンピック・パラリンピックを機に、スポーツによるまちの活性化を図るため、本格的なオンラインマラソン大会の開催はじめ、既存のスポーツの枠にとどまらない新たな取り組みにも挑戦していることを熱く語られました。さらに、小職がVリーグ女子バレーボール岡山シーガルズの顧問であり、シーガルズは府中市ライオンズクラブ様や府中商工会議所様はじめ地元の識者や経済界の皆様方から絶大なご支援を頂き、今日を迎えることができていることをお話しますと、小職がなぜ顧問なのか、また、今後の子供バレーボール教室を軸とした新たな連携の可能性まで話が及びました。この度の「ⅰ-coreFUCHU(いこーれふちゅう)」との連携可能性について話し合いを持っていくことを確認させて頂きました。