ツーリズムEXPOジャパン2019 大阪で「天文王国おかやま」をピーアール

岡山大学地域総合研究センターは、岡山県と関係市町で構成する「地域課題解決支援プロジェクト(天文・星空資源の活用による誘客促進)協議会」の活動支援を担当しています。2018年にスタート、今年度は2年目を迎え、数回にわたる会議を重ね、協議会事業の取組方針や年間計画について協議決定、今年度は協議会が制作した「天文王国おかやま」のPRツール(ポスター、チラシ、のぼり、テーブルクロス、ノベルティグッズ)を活用して、今回のイベントにも出展、10月25日、この日は、岡山大学からは小職と近藤亜希子さんが会場入り、朝から15時まで、出張説明、呼び込み、ブース説明を担当いたしました。


途中「吉井川流域DMO」のブースにもお客様の勧誘におじゃましたり、海外部門エリアでは米国ポートランドやタイのブースでもPR、万歩計が2万歩を記録、そして名刺使い果たしてギブアップとなりました。

この活動では、これまで県内の8つの天文関連施設を対象としたスタンプラリーを実施、各施設に配置されたスタンプを集めて応募すると、抽選で素敵な景品が当たるなど創意工夫を凝らした企画が2019年5月24日(金)~10月31日(木)までの期間で実施されました。

なお、このスタンプのデザインは、井原市「美星星空大使」を務めデザイナーとしても活躍されている篠原ともえさんが施設を巡り、現地でインスピレーションを得て制作したものです。また、同協議会では、岡山県への誘客促進を目指し、「天文王国おかやま」をキャッチフレーズとした県内の天文・星空資源の魅力発信を行い、前回は神戸市内で開催される観光イベントで、本スタンプラリー実施についてのPRを行いました。そうした成果を今回の大阪でのイベントでは情報発信いたしました。

今回の気づきは、天文王国について「おかやまで天文のコンセプトは何ですか」との質問が多く、晴天日数や天文台の数、規模や質(国立天文台、京都大学天文台)、連携(美星天文台の野辺山、石垣との関係性)などの説明に、立ち寄った方や時出展自治体から納得の声を聞くことができました。また、鹿児島いちき串木野市からの来場者(山光ツーリスト合同会社)は、元気象庁のお天気お姉さんということで、大いに関心を持ち、熱心に聞き入ってくれるも、2次交通が無いと女子の旅は無理で、レンタカーよりは公共交通や案内ルートを回るモビリティが必要である点をご指摘頂きました。


美星天文台と姉妹関係である石垣市の皆さんは、天文の説明ができるコンシュルジュの養成が軌道にのり、夜の部の星空ナイトツアーが評判を呼んでいる点は興味深く、その資格認定試験の内容や案内人の活用の手法、システムについて、機会があれば現地を訪問して学びたいと感じましたし、特に星を見せるイベントトリガーとしての役割と他の観光スポットや宿泊時間帯での活用、他の体験イベントとの組み合わせなど、具体的に観光シナリオ全体の中での星座の持つ魅力や意味付けをヒアリングさせて頂く価値はあると感じました。

また、近隣の広島県神石高原町でも、星をテーマに案内人の配備等を進めていますが、知名度不足なので、美星天文台との連携を模索できないかなどの意見を聞くことができた点は、今後、地域連携の可能性が広がりました。特に、神石高原町は高級な宿泊施設を有している点が、強みながら誘客に苦しんでいるとの本音がヒアリングできた点は、矢掛町の矢掛屋はじめ倉敷市内の倉敷国際ホテルなど、ハイクラスなセグメント向けの誘客シナリオについて、岡山県近隣の環境を知るうえで大きな学びとなりました。

同じく、広島県から愛媛県庁へ出向している職員からは、高速道路の開通に伴う、松江~尾道~今治~松山という南北観光ルートの開拓と、同時に姫路~倉敷~尾道~広島~岩国という東西観光ルートとの関係性を踏まえた、広島県庁の野心的な構想が聴けました。そこでの星座について、その夜の部(滞在時のわくわく感を提供する有効な過ごし方)の活用可能性と手法について、高い関心を示してくれました。

一方で、大学生によるブースが近所にありましたが、若い学生にヒアリングをしたいとの思いがある中で、指導教員が中心に座っていて、学生指導の経験としての場の提供という位置づけが高く、訪れた人に何かを伝えようという意識が極めて希薄だった気がしました。マーケットインの発想や着想が弱かったのではないかと感じた次第です。

セミナーでは、2018年6月、日本で初めてアルベルゴ・ディフーゾの認定を受けた矢掛屋を、イタリアから来日した「アルベルゴ・ディフーゾ協会」の会長が紹介、岡山からは岡山商工会議所の松田久会頭と丸五の藤木茂彦社長が参加、岡山の魅力を世界に発信されました。この会場へ「天文大国」のチラシを30枚ほど持ち込ませて頂き、司会所に交渉、セミナー終了後に天文と宿泊の楽しみについて広報させて頂きました。また、同会長にもご挨拶を行い、矢掛屋と1年中楽しめる天文との組み合わせについて広報させて頂きました。