還暦を迎えて

遠い先の話だと思っていた還暦が訪れました。
愛媛に生まれ、東京で30年暮らし、大学教員に転職、愛知で5年半、そして岡山で満8年を迎えました。
大学人としての記憶と決意をつぶやきます。

【無上の喜び】

愛知学泉大学勤務時代、渾身の力で手塩にかけて育てた学生が、卒業式の総代をつとめたことが、教員としての無上の喜びを感じた瞬間でありました。学業成績、地域貢献活動、人柄共に卓越した学生で、経済産業省が主催した社会人基礎力でも賞を頂きました。

【学生指導】

地域貢献では、まちづくりサークル2団体の顧問を担当、専門では、大学院社会文化科学研究科の学生を指導、今秋の卒業生は、公共政策科学専攻地域公共政策コースで学んだ岡山県庁職員で、研究テーマは『岡山県内の6次産業化の促進』。現在3名の院生を主担当指導中。

【学位取得】

実務家から研究者への転職組ゆえ学位取得(九州大学から京都大学)に苦労いたしました。経済学研究科博士号取得に際して、最年長ゆえに情けを頂き、壇上にて山極壽一総長より直接学位記を拝受いたしました。人生最上の喜びであり、親孝行ができた瞬間でありました。

【SDGs研究】

国連機関ILOが日本のSDGs活動を紹介した『ILOワーキングペーパー№76』(2019)で、「労働金庫運動」を「ひとりも取り残さない金融による社会的包摂運動」と位置づけ、拙書『労働金庫』を複数引用頂きました。余生を『労働金庫』SDGs研究に費やして参ります。

【社会貢献】

岡山大学では地域総合研究センター設立準備以降、大学と地域をつなぐ活動を続けて参りました。『おかやま地域発展協議体』と『おかやま円卓会議』の設立を担当、岡山がもつ美しく豊かな山、里、川、海をフィールドに、引き続きシンクタンク機能を発揮して参ります。

【激甚災害】

東日本大震災へのかかわりを契機として、尊い命が奪われた平成30年7月豪雨災害では倉敷市から真備地区復興計画策定委員長を、現在は同推進委員長を拝命、微力ながら復興に向けた活動のお手伝いを続けて参ります。

【国と地域】

国が進める地方創生を契機に内閣府から地域へ派遣頂く機会を得ました。霞が関はじめ日本商工会議所出向、トヨタ研究所時代、労働金庫研究など、今後とも東京時代に得た、行政、経済界、労働界、専門家との人脈を地域社会の発展に役立てて参ります。

【海外】

還暦を迎え、振り返りますと、すべて仕事ながら約20か国近くの国々を訪問、英語が大の苦手ですが、大学教員としては、Oxford大学、ストラスブール大学、シュトゥットガルト大学などへの訪問が思い出深く、こうした経験を社会のために尽くして参ります。

【アドバイザー】

プロ女子バレーボールチーム「岡山シーガルズ」の顧問を拝命、オリンピック選手を輩出するトップリーグ所属の市民が支えるクラブチームです。経済界や自治体、国の機関と共に、大学の持つ専門性を活かして、組織改革や活動環境整備のお手伝いを続けて参ります。

【家族のこと】

夫婦そろって還暦を迎えることが出来ました。
父を見取り、母を郷里の愛媛から岡山へ呼び、施設でお世話を頂きながら暮らしています。
今年は次女が娘を出産、夫婦にとっては3人目の孫(女子は初めて)を授かりました。