シーガルズ協議会理事会

わが国が進める民間活力活用による地方創生と2020年東京オリンピック・パラリンピック開催を契機としたスポーツを活用した地域の産業や観光の活性化に向けて、産官学民連携による具体的な取組みが全国で展開されています。こうしたなか、岡山県においてもファジアーノ岡山、岡山シーガルズ、湯郷ベルはじめプロスポーツや岡山市民マラソンに代表されるアマチュアスポーツの開催には、県内外はもとより海外からも多くの観客が来岡しています。


岡山が持つ天の利、地の利と、この集客力を活かして、宿泊、飲食、みやげ物、特産品、観光、アフターコンベンションなど、スポーツ振興をきっかけに更なる産業振興や観光振興の力を伸ばし、岡山が日本一のスポーツ先進都市(スポーツの聖地)となることを目指して、広くオール岡山の体制でストーリー性の高い事業モデルを検討し、地域全体が潤う産業・観光施策を推進する好機が到来しました。

こうしたなか、2020年東京オリンピック・パラリンピックに合わせて、バレーボール界においてはVリーグ機構改革が進行するなか、全国唯一の地域が支える女子バレークラブチームとして活躍する岡山シーガルズは、専用練習場や優先して利用できるアリーナを有さないなど、Vリーグ機構改革への対応面で重大な課題に直面しています。

Vリーグ機構改革における岡山シーガルズの活躍に向けた民間活力活用推進協議会(以下「シーガルズ協議会」という)は、スポーツを活かした産業振興や観光振興の具現化に向けた足がかりを、2020年東京オリンピックにメダリストを送るべく努力研鑽を重ねる岡山シーガルズをはじめ、プロ、アマを問わずスポーツチームの活動環境の整備支援にすることと定め、岡山シーガルズのVリーグ機構改革を契機とした地域活性化策の検討・展開を目的として設立され、幹事会を中心に議論を続けて参りました。

そこでは、この目的を達成するために、活動拠点となる専用練習場と複合機能を有するアリーナ(以下、「新アリーナ」という)の建設が必要であり、新アリーナには、①スポーツの殿堂としての研究教育機能、②産業・観光振興など経済成長機能、③市民、県民はもとより中四国広域防災拠点としての安心・安全機能、という3つの機能を具備する必要があると考えられます。こうした諸点を勘案すると、新アリーナの立地場所は極めて重要であり、あわせて、新アリーナ建設のコンセプトは、国が最も重要であると位置づけるスポーツ振興策が「わが国における女性のスポーツ参加率の向上」であり、新アリーナを「日本で一番女性に優しいアリーナ」にすることを目標に掲げて検討を重ねて参りました。

ときあたかも、岡山市の市庁舎は老朽化が進み耐震面でも不安を抱えることから、政令市及び県都の顔としてふさわしい新たな市庁舎の建設が検討されており、本協議会では、現在の岡山市本庁舎の建替えにあわせて、新アリーナの建設を推進することにより、民間の知恵と資金を複合的かつ総合的に活かし、従来の自治体サービス機能に、スポーツによる活力創出機能や新アリーナに防災機能を付加することで、地域社会の持続可能性及び安心安全性を最大限に高める機能を有する、岡山市の新たな中枢拠点を整備することを活動の目的に据えて、それに対応するアリーナの基本コンセプトと具体的な設計図(案)の作成までたどり着くことができました。


それを受けて、12月4日、岡山商工会議所に常任理事、理事はじめ協議会関係者が一堂に介して、基本コンセプトと具体的な設計図(案)の説明会を開催、大いに議論を深めることとなりました。

まず、冒頭で中島博代表理事から挨拶があり、はじめに梶谷俊介幹事長から幹事会での議論経過について説明、次に設計をお願いしたパシフィックコンサルティングの小野崎研郎氏から新アリーナの具体的な構想についてプレゼンテーションをさせていただきました。さらに日本政策投資銀行の桂田隆行氏から、全国のアリーナ構想の進捗状況と岡山の独自性について、客観的な分析に基づきながらも岡山への熱いエールを頂戴することができました。

続いて、岡山大学槇野宏史学長から、SDGsの視点を踏まえたスポーツを起点に健康・医療分野に産業イノベーションを創出する道筋を提示いただきました。

こうした話題提供や報告を踏まえて、理事や参加者から質問、意見や感想が次々と述べられました。

本日の議論を踏まえて、さらに幹事会で意見をとりまとめ、いよいよ岡山市との意見交換に入りたいと思います。