10月21日、18歳からの選挙参加が法律で認められたとことを受けて、岡山県、岡山県選挙管理委員会、大学コンソーシアム岡山の主催で、『18歳からの選挙参加で明日の日本を創る』と題したシンポジウムを岡山大学創立50周年記念館で開催いたしました。会場は、18歳からの選挙で選挙権を得た1、2年生をはじめ大学生で満席と成りました。エピソードとして、朝のNHKニュースで「日本の将来は皆さんの一票に委ねられます」としてシンポジウムの紹介が広報されたこともあってか、入りきれない学生は2階の会議室のスクリーンで聴講するという嬉しい事態となりました。
さて、午前中からはじまった、第1部の「18歳選挙権を考えるワークショップ」では、同僚の前田芳男副センター長がコーディネートしながら、学生たちによるワークショップと模擬投票が催され、どのような公約を掲げる候補者に投票するか、なぜ、投票に行く気になれないかなど、本音のトークがされ、チームごとに意見がまとめられました。
午後のシンポジウムは、小職が全体の進行役をつとめさせて頂きました。まず、大学コンソーシアム岡山を代表して岡山理科大学波田善夫学長から挨拶を受けました。基調講演では、伊原木隆太岡山県知事から「18歳からの選挙権の実現を受けて」、続いてNPO法人YouthCreateの原田謙介代表から「求められている若者の力」と題して本音のお話を頂きました。休憩をはさみ、後段では、午前中にされたワークショップで出された学生たちの意見を代表して、岡山大学とノートルダム清心女子大学の学生が報告しました。
パネルディスカッションでは、この学生2名に加えて、パネリストとして、岡山県伊原木隆太知事、NPO法人YouthCreate原田謙介代表、岡山理科大学波田善夫学長、専門家として岡山大学から岡山大学大学院教育学研究科桑原敏典教授に登壇頂き、コーディネーター役を岡山大学荒木勝理事・副学長がつとめました。
まず、学生たちの報告に、伊原木知事から発表を聞かれた率直な感想が政治家、行政側の立場から述べられました。また、若者の投票率を上げるには、教育分野が担う役割が大きい点について、桑原教授から主権者教育の在り方について、先進事例の紹介も含めた意見が出されました。続いて、波田学長から、これまでの岡山理科大学における主権者教育について取り組んできた事例が紹介されました。また、今回の選挙権の18歳への引き下げを受けた対応、さらに、大学コンソーシアム岡山としてできることについての持論も披露されました。こうした議論を踏まえて、原田代表から、教育現場に対する期待とともに、若者の政治への参加促進に向けて教育現場以外でやるべきことについて、具体的な行動指針が示されました。また、原田代表や学生たちからは、18歳選挙権で日本の国が変わるきっかけ作りがスタートできるとの意見、未来を担う若者こそが、積極的に政治参加(投票参加)することが、いかに大事かについて指摘され、その若者代表として、自分に課せられた役割なり、今後の行動について持論が披露されました。
最後に、18歳選挙権はわが国の政治の転換点にならねばならない、との問題意識から、今日の議論、学生の意見を踏まえ、18歳選挙権が転換点になるためには、どういったことが必要であるか、波田学長、桑原教授から持論が披露されました。最後に、伊原木知事から、若者への期待、メッセージが伝えられ、荒木理事のまとめに続き、結びとして岡山県選挙管理委員会岡本研吾委員長の挨拶で盛会のうちに閉会しました。
『18歳からの選挙参加で明日の日本を創る』シンポジウム、大盛況満員御礼となることができました。
この催事は、企画から運営、進行まで、岡山大学地域総合研究センターが岡山県と二人三脚で担当いたしました。内容も、大変に有意義なシンポジウムに仕上げられたと感じました。関係者の皆さん、お疲れ様でした。