津山市は10月24日に超小型モビリティ「コムス」を26台導入しました。超小型モビリティについては、身近な都市内移動に注目し、歩行や自転車などを中心とした人々の移動ニーズやシーンに焦点を当て、シルバーカーを含むタウンモビリティや小型コミュータなど、今後ニーズが高まることが予想される小型・低速モビリティの可能性を探り、人と自転車、そして自家用車のあり方や都市・道路空間との関係から、その利用について検討をする必要があります。
また、従来から、個別交通については、[1]地球環境への負荷軽減や高齢化社会での移動手段確保の視点から見た自家用車依存の限界、[2]多様な移動手段の混在による交通安全の阻害、という課題が大きく2つとりあげられています。つまり、「自家用車依存の限界」を解決するためには、公共交通との連携と環境負荷が少なく運転が容易な(免許がいらない)新しいモビリティの提案が、一方、「多様な移動手段の混在による交通安全の阻害」を解決するためには、複数のモビリティが同一道路空間内で共存できる仕組みの構築とモビリティの空間的分離のための環境整備が指摘されています。こうした課題解決に向けては、交通結節点での乗り換え施設の設置、多様な移動手段が選択可能な道路空間の整備、駐車・駐輪場の整備、交通安全確保のための自動車の速度抑制、通過交通排除による交通安全の確保、車道や自転車道の確保、健康促進など移動以外の効果をもつ徒歩のための環境整備などの施策が検討されています。
さて、津山市のHPによれば「環境にやさしい低炭素のまちづくりを進める津山市では、平成26年10月24日、超小型電気自動車(超小型モビリティ)26台(1人乗り25台、2人乗り1台)を導入し、実証事業を開始しました。超小型電気自動車(超小型モビリティ)は、1~2人乗りの電気自動車で、走行時の二酸化炭素の排出がない環境性能に優れた乗り物です。小回りが利くことから近距離移動や道幅の狭い住宅地などでの活用に適しており、新たな交通手段として注目されています。津山市で導入したのは「1人乗りコムス」25台と「2人乗りコムス」1台で、国や県、製造元のトヨタ車体㈱のご支援とご協力により実現しました。1人乗りコムス25台は、「津山市超小型モビリティ導入協議会」(大学、高専、商店街関係者、地元企業、まちづくり協議会、民間団体、市などで構成)で、商品配達、企業訪問、渉外活動、公用車等で活用し、二酸化炭素の削減効果の測定や新たな活用方法等の幅広い活用の可能性を官民協働で実証します。また、超小型モビリティ認定制度を活用し、「2人乗りコムス」で実証実験を開始しました。「2人乗りコムス」は、まだ一般には市販されていない試作車で、国土交通省の「超小型モビリティ認定制度」によって走行が初めて可能となり、津山市は県内で初めて認定を受けることが出来ました。この認定制度を活用し、市内で実証実験を開始しました。「2人乗りコムス」の導入は、愛知県豊田市に次いで2番目であり、今回導入する2人乗り車両は、津山市内に限り走行可能となります。津山市では超小型モビリティ導入事業を環境面での貢献に加え、地域の活性化につながるよう行っていきます。」とあります。
このHPにあるとおり、津山市では、商店街、NPO、企業をはじめ多くの市民から利用に関するアイデアを募集して、様々な利用方法にチャレンジしています。結婚式を迎えるカップルが商店街にコムスで登場し、地元スーパーでは3000円以上のお買い上げのお客様に荷物を届けるサービスに利用する。また、教習所で子供たちの交通安全教室に、「加茂郷フルマラソン大会」や「津山納涼ごんごまつり」の「和っしょい津山」では先導車役をつとめるなど、お話をお聞きしながら、その創意工夫に感服しました。
市民参加型による超小型モビリティの利用促進について大いに学ばせていただきました。暮れのご多忙の中をご対応いただいた津山市環境福祉部新エネルギー環境政策室の皆様に感謝です。