今、ここから何かが始まる-多職種連携と地域包括ケアワークショップ in 白石島(2)

ワークショップ2日目(10月20日)
ワークショップ(その1)9時~10時

ワークショップの前段は小職が担当しました。テーマは「白石島の課題を抽出する」です。昨日(1日目についてはこちらをご参照ください)に続き8班に分かれ、各メンバーは、まず、ポストイットに課題を3つあげ、それを班ごとに整理しました。
多職種連携と地域包括ケアワークショップ in 白石島
多職種連携と地域包括ケアワークショップ in 白石島
多かった課題では、[1]産業が乏しく若者には魅力がない、[2]少子高齢化と人口減、医療や介護の施設が不足している、[3]空き家が多いが、空き家を活用することもむずかしい、などの点です。一方で、「コンビニがないなど不便ではあるが、島の人は生き生きしている」「島の人は名前で呼び合うなどつながりが深く、外から来た者にもあたたかく接してくれる」「医療や介護の施設は少ないが、いろんな工夫や人のつながりで補っている」という指摘もありました。

ワークショップ(その2)10時~12時15分

後半は、川崎医療福祉大学 竹中麻由美 准教授の指導のもと、「具体的テーマを設定して、その解決策をチームで考案する」、併せて「学生時代(いまの自分)にできること、さらに将来、専門職として具体的に何をめざすか」提案するとした課題が提示されました。
発表では、前日スマートフォンでとった写真をパソコンに数枚アップして、発表の契機とし、その後に模造紙で発表という形をとりました。
多職種連携と地域包括ケアワークショップ in 白石島
ある班は、「ここに注目-日常生活がリハビリ」とし、現状として「高齢になっても畑に出て、毎日たくさん歩く」「坂道が多いことも健康につながる」「煮物を中心とした健康な食生活」をあげ、「健康長寿推進条例(おたっしゃ条例)の制定」を提案しました。この条例案では、健康に良い取り組みを積極的に行っている高齢者にポイントを付与し「島の外に出かける旅行券」「島の外に住んでいる子や孫を呼ぶ旅行券」を提供することなどが盛り込まれました。
また、各人より「将来、私は看護師として、作業療法士、理学療法士として、医師、歯科医として、公務員として、具体的に何をする」かが具体的に宣言されました。
多職種連携と地域包括ケアワークショップ in 白石島

まとめ

現在岡山大学では、実践型教育に全学を挙げて総合的に取組もうとしています。その前提が、地域や社会のニーズに耳を傾け、そのニーズに応えるための大学シーズをマッチングさせることであり、学問的にも実践すべき課題を学際的に捉えながら幅広に思考するという、新たな潮流が芽生えることになります。また、県内大学との連携も重視しています。
社会的効果としては、今後は、授業科目として、これまで以上に体系化されたシステムに乗りながら学生たちが医療・ケアの現場はもとより、中山間地域、教育現場、企業やNPOの現場に出かけて活動を展開することをめざしています。このことにより、[1]地域教育環境の改善、医療・ケアの活性化、[2]若者の感性・知性を活かしたまちづくり、[3]地域コミュニティ、産業の担い手養成、[4]世代間の対話と社会的絆の回復、[5]県、市町村、経済界等の事業計画との連携に成り立つ岡山大学の社会貢献を通じて「学都」(森田ビジョン)を実現したいと考えています。
また、教員の立場からは、大学が新たな学問的アプローチと地域資源としての新たなシンクタンク機能を発揮することにより、地域人や社会人にとっても新たなノウハウや学びを得る機会が生まれ、それが新たなイノベーションを創生する効果を生み出すべきであると考えています。すなわち、今回のワークショップの将来的な展開が、地域社会、大学の双方にとってメリットを実感しながら、なおかつ、抜本的な大学の学問的改革事業につながる活動であると位置づけているのです。
ワークショップの終了後に、笠岡市から、現在同市で行っている在宅医療拠点事業の取り組みへの協力依頼があり、浜田淳教授から「積極的に協力させて頂く」旨の力強い挨拶がありました。
現在の中山間地域や島嶼部は厳しい現実と向き合いながら暮らしています。近い将来、わが国の多くのまちで同じ課題に直面することになります。私たちは、過疎地のテーマとして看過するのではなく、国民全員の課題として受け止め、その解決策を見出して行く必要があるのです。
ご指導頂いた白石島の皆様や笠岡市の皆様に感謝です。
多職種連携と地域包括ケアワークショップ in 白石島
 ▲ 天野正公民館長とお孫さんにお見送りしていただきました。


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