今年は雪が多い年ですね。1月末から2月1日に豪雪のなかを新潟市、上越市、富山市へ、また2月13日、14日と熊本市へまちづくり調査に参りました。
1月30日(月)の早朝、岡山を出発して新幹線で新大阪まで行き、伊丹空港から新潟空港へ向かいました。雪の影響での欠航を懸念していたのですが、幸いほぼ予定通りに到着することができました。新潟空港でサンドイッチを買い、新潟駅へ向かうバスで軽く昼食としました。新潟駅からはタクシーで新潟市役所まで参りました。市役所では担当の皆さんが待機してくれ、早速、会場として準備頂いた議員委員会室にご案内いただきました。
政令指定都市として各区単位に予算をつけ、その区毎の地域性に合わせた都市内分権を実現しようとする新潟市の施策と内容説明は、自信に満ちあふれているとの印象でした。新しい都市構想も提唱している新潟市は、将来に向けたまちづくりの歩みを確実に進めています。
新潟市を後にその日の内に上越市へ入りました。直江津駅には上越市役所の方が出迎えに来てくれ、駅前のビジネスホテルにチェックイン後、雪の中、商店街を抜けて懇親会の会場へ向かいました。まちの風景のあちらこちらに雪国の暮らしを実感しました。会場の「まるへい」では新鮮な魚料理と地元上越市の誇る「雪中梅」をはじめ自慢の日本酒が次々と運ばれました。
翌朝は、吹雪で目の前の駅舎(直江津駅)が見えないくらいの天候で豪雪注意報が新潟全県に発令されていました。タクシーで上越市役所へ到着すると災害対策本部が設置されるなか、皆さん非常時にも関わらず交替でまちづくりの工夫やご苦労について具体的なエピソードを交えながらご披露してくださいました。やや専門的になりますが、上越市は全国で唯一、都市内分権制度のなかで地域会議委員を選ぶ際に、公選制度を取り入れています。自治体が本気でまちづくりを考えないと、この公選制度導入は実現しないであろうというクオリティの高いシステムです。ますますのご健闘にエールを送り、雪深い上越市を後に一路富山市へ向かいました。北陸本線は動いていましたが、その他の路線で運休や大幅な遅れが出ていました。
雪の日本海は久しぶりです。長いトンネルを抜け糸魚川に入ると車窓からは鉛色の海と白くうねる波に目は釘付けになりました。親不知駅の看板が瞬時に過ぎ去りました。冬の日本海をみるたび、自分自身の人生はここまで厳しくはないなと、いつも感じます。妥協を許さないきっぱりとした冬景色に何枚もシャッターをきりました。途中、車両の窓ガラスが割れるというアクシデントに見舞われ、遅れての到着となりましたが、豪雪注意報をぬって訪問予定表通りにヒアリングを進めるわれわれの方が不思議なのかもしれません。富山市役所へは駅前から環状化が完成した路面電車で参りました。近くの公園を下校する小学生達は元気でした。
富山市では、コンパクトシティ、都市交通計画、環境モデル都市、レンタル自転車、まちなかキャンパスなど大変貴重なお話を関係部局の担当者の方から代わる代わるうかがいました。また資料も沢山いただきました。その夜は日本政策投資銀行の富山所長さんに、富山のまちづくりについて「ぶりしゃぶ」に舌鼓を打ちながら、お聞かせいただきました。また、翌日は同行富山事務所へ伺い、豊富なデータに裏付けられた資料に基づき午前中一杯レクチャーを受けました。
いろいろな課題を抱えながらも、確実に都市交通計画が実現して行く富山市は、素晴らしいと感じました。北陸新幹線開通に合わせながら駅の東西を結ぶ路線が開通すれば一つの完成形となる富山市のまちづくりに期待しています。
また、2月13日(月)の夜に熊本へ入り、14日は、昨年12月に続き第2度目となる熊本まちづくり調査を実施しました。今回は法学部、経済学部、環境理工学部の先生方と地域総合研究センター教員の総勢6名で熊本市と熊本大学まちなか工房を訪れ、前回がレクチャー中心だったのに対し、今回はディスカッション形式で実施させていただき、貴重な経験とノウハウを存分にご教示いただく事ができました。
前回工事中だった鶴屋百貨店周辺における路面電車の軌道緑化がほぼ完成していました。それから熊本大学まちなか工房の歴代の学生たちが設計と施工を手がけたお店「み」を見学させていただきました。学生製作のカウンターで地元の日本酒を賞味しましたが、雰囲気は最高で味わい深い時間を過ごす事ができました。
マスターや同僚の岩淵先生と記念写真を撮らせていただきました。