北海道の旅~オホーツク海を東へ

利尻島
翌朝(9月21日)、鴛泊港を出港、再び、稚内港へ戻りました。フェリーから離れてゆく利尻島にかかる雲が切れないかと、雨の甲板に立ち尽くしたままカメラを構え続けました。微かに稜線が浮かびます。さて、稚内からはレンタカーを借りての旅が始まります。本日の行程は、オホーツク海沿いの一般道をひたすら東へ走り、網走まで行かねばなりません。直線距離にて300キロ以上あります。
鮭
まず、念願の日本最北端「宗谷岬」を目指しました。途中、浜に注ぐ河口に何台もクルマが止まっております。なんだろうと覘いてみますと、鮭釣りの皆さんです。これは一見の価値ありと、傍まで参りました。鮭が遡上する習性を見越してでしょう、次から次へと見事な鮭が釣りあげられてゆきます。私の育った瀬戸内海では、アジや鯖などを「さびき」という漁法で、いっぺんに釣り上げた経験はあるのですが、こんなダイナミックな光景に出会ったことはありません。1日で、一冬食べるに余る分の鮭をゲットする、それも北海道ならではの歳時記なのでしょう。
さて、ようやく念願の宗谷岬が見えてまいりました。最北端記念碑の前には列が出来ていて、順番がきますと、後ろの人が前の人のカメラのシャッターを切る、そんな暗黙のお決まりが出来ています。「最果てに立ったぜ」と心で叫びながら、記念碑と間宮林蔵の碑をキチンと写真に収めました。
宗谷岬

宗谷岬を後に半島を回りながらクルマを走らせますと、程なく風力発電の巨大風車が何基も並ぶ風景に出会いました。これまで、何基か並ぶ風力発電スポットを見学した経験はありますが、ここ北海道は周辺の風景の雄大さが加わりスケールと美観的視野の広がり方が違います。しばらく見とれてしまいました。火力や原子力に頼らず、クリーンエネルギーや再生エネルギーで暮らせる時代が早く訪れて欲しいものです。
宗谷半島を後に、進行方向左側にオホーツク海を眺めながら、延々と続く国道238号線を東へひた走ります。お昼時が過ぎましたので、道の駅「猿払(さるふつ)」で昼食をとることにいたしました。ここ、猿払は、日本一のホタテの水揚げを誇る港町です。猿払のホタテは、道内でも特に水温の低い場所で育つため、甘みが強く大ぶり肉厚で、特に、5年かけて育てられた「5年貝」は、他の産地のものよりも一回り以上大きいのが特徴だそうです。
猿払
ホタテのメニューは、ラーメンや春巻きなど多くて迷いましたが、お勧めの「ホタテ焼きカレー」を注文しました。グラタン皿で調理され、真ん中に卵、そしてチーズとホタテがカレーの上に並び、熱々で出てまいりました。店員さんから「まず、卵をかき混ぜてカレーと合わせてから召し上がってください」とアドバイスがありました。確かに、カレーにチーズと半生の卵が絡み、ホタテ独特の歯ごたえにマッチして、なんとも美味でございます。一気に平らげてしまいました。納得の一品でした。
興部町
十分に休憩をとりましたので、再び、一路網走を目指します。景観看板に注意して、景色の見事なスポットで何回か休憩しながら、興部町(おこっぺ)へ入りました。ここで気になるソフトクリームショップ「おこっぺ」の赤い建物を発見、また、立ち寄りました。ここも地元農協の直営店です。さっぱりとしているのですが、コクがあります。こんなに次々とソフトクリームばかりを食べ歩くのも初めての経験です。
サロマ湖
ドライブを楽しみながら、走り続けると、ようやくサロマ湖が見えてきました。サロマ湖は、道内で最も大きな湖、わが国では3番目に大きく、海と湖を仕切る砂嘴は長さ25kmもあります。ともかく広さは格別です。夕日が落ち始めましたので、クルマを停めて、しばらくサロマ湖からオホーツク海へ沈む様子をうっとりと眺めました。気持ちが穏やかに静まりました。こうしてようやく網走湖畔の灯りがみえた頃は、すっかり日も暮れておりました。宿にお願いして、夕飯の時刻を少し遅らせてもらいました。
網走湖荘

網走湖荘
投宿した「網走湖荘」は網走で最も大きいホテルだそうで、北海道の観光地ならではの巨大なつくりです。夕食の後で大浴場へ参りました。びっくりの広さです。最大の湯船が40℃、そして41℃、42℃の湯船、露天風呂、サウナ、水風呂があります。時間をかけて次々と浸かり、サウナも楽しみ、運転の疲れをとりました。夕食では地元ワインを楽しみました。